
「森と未来の学校」(水戸市白梅)が8月7日・8日、教員向けイベント「シン・茨城教育サミット2025」を開催した。
教育旅行の実践発表を行う関東学院中学校高校の新堀雄介さん(写真提供=アーストラベル水戸)
働き方改革と探究学習実現に向け、全国から参加した教員が笠間市と大洗町の教育資源を体験した同イベント。「子どもたちに負けないくらい熱く学ぶ2日間!」をキャッチフレーズに、茨城県内と首都圏近郊の小学校、中学校、高校の教員25人が参加。セミナーやフィールドワークで学びを深めた。
イベント事務局を担当した「アーストラベル水戸」(水戸市白梅)スタッフの長沼純平さんは「首都圏の先進的事例から着眼点などを学ぶセミナーと、茨城の教育資源を体感してもらうスタディツアーを組み合わせた。学校種に関わらず、茨城県内の先生と首都圏近郊の先生がお互いに学び合う『教育サミット』になればと企画した」と話す。
1日目は「つくば研究支援センター」を見学後、最先端企業の職員と交流を図った。夕方からは、関東学院中学校高校(神奈川県横浜市)教諭の新堀雄介さんらによる教育旅行の実践発表、東京都公立小学校教員の二川佳祐さんによる働き方改革をテーマにしたセミナーを行った。
2日目は茨城県央地域での体験プログラムを中心に行った。笠間市では地域の特色を生かした体験ができる「kasamarron cafe」(笠間市福田)を見学。その後、「プロジェクト茨城」(笠間市笠間)が管理する戦争遺構「筑波海軍航空隊記念館」(笠間市旭町)を見学した。大洗町では梅の6次産業に触れられる「Ume Sonare oarai」(大洗町磯浜町)で、生徒向けの梅シロップ作りを体験。大洗漁港では漁協職員から漁の手法や設備について説明を受け、新鮮な生シラスを試食した。
つくば市立大曽根小学校(つくば市大曽根)教諭の新井清司さんは「旅行会社が開く教育サミットということで、普段自分たちが参加する研修とは違う角度で学びを得られた。特に『筑波海軍航空隊記念館』は初めてで、感銘を受けた。すごく考えさせられ、子どもたちの学年によって目標設定を変えればさまざまな学びを得られると感じた」と振り返る。広尾学園中学校・高校(東京都港区)から参加した教諭の土田義昌さんは「都内からも近い茨城でのスタートアップ支援や農業、漁業の仕組みと工夫を体感できた。子どもたちが知ることで、世界を広げるきっかけになるのでは」と話す。
武蔵高校中学校(東京都練馬区)から参加した教諭の田中裕人さんは「茨城は興味深い場所が多く、設定したテーマに合わせてプログラムを組みさまざまな学びを生み出すポテンシャルがあると感じた」と話す。長沼さんは「今後も地域資源を生かして、より多くの先生たちに還元できる企画を続けていきたい。県内外の先生に参加してもらえたら」と話す。