
アメリカンフットボールチーム「茨城セイバーズ」が9月6日、ケーズデンキスタジアム水戸(小吹町)で今シーズンの開幕戦を戦う。
ヘルメットの赤いラインは「レッドロード」で、「思いに向かってまっすぐ進む」という意味が込められている
2012(平成24)年に水戸市で誕生した同チームは、アメリカンフットボール日本社会人Xリーグ2部に所属し、X1昇格を目指して茨城県を拠点に活動している。グラウンド確保に苦労する中、鉾田市、行方市からホームタウンとして支援を得て活動を続け、鉾田市の小・中学生らにフラッグフットボールを教えるほか、中学校部活動の地域移行に対応するなど青少年の育成活動も行っている。8月19日には水戸市とフレンドリータウン協定を結び、「ケーズデンキスタジアム水戸」での開幕戦が実現した。
開幕戦はネッツトヨタ水戸プレゼンツで「バーバリアン」と対戦。会場外には12時からキッチンカーや屋台など9店が出店し、アメフト体験ブースや大きなヘルメット型のエア遊具「ふわふわ滑り台」も用意する。
「茨城セイバーズ」社長の近藤秀則さんは「当日配布するプログラムにアメフトのルール解説コーナーを設けたほか、会場で実況・解説を入れることで、応援してくれる人やアメフトに詳しくない人でも楽しんでもらえるように工夫している」と話す。
福島県いわき市出身の近藤さんは、2011(平成23)年の東日本大震災で被災。先の見えない状況の中、水戸市を訪れた際に多くの人に元気をもらったという。「恩返しがしたい」との思いから翌年水戸市に移住し、同チームを立ち上げ活動を開始した。当時飲食店の人たちに世話になったことから「同じようにホスピタリティーのある仕事をしたい」と、同市で飲食店も開業。2023年春まで選手として活動しながらチーム運営と飲食店経営をしていた。昨年には飲食店を閉め、現在はアメフトチーム運営に専念している。
近藤さんはこれまでの道のりを振り返り「草チームから日本一になると心に決めた時に掲げた目標の一つ『ケーズデンキスタジアム水戸でのホームゲーム開催』が、地域の皆さんの理解や応援を得て14年目にしてやっと実現する」と声を詰まらせた後、前を見据え「初めての水戸市での有観客公式戦に足を運んでほしい」と来場を呼びかける。
16時キックオフ。観戦チケットは、当日=1,500円、高校生以下無料。水戸駅北口~ケーズデンキスタジアム水戸間ではシャトルバスを臨時運行する。