茨城町が1月31日、建設中の町文化交流会館「いばSUNホール」で、ホールの探検と言葉のタイムカプセルワークショップを開催した。
施設の模型でメッセージを残す場所を説明する有門正太郎さんと参加者
現在建設中の同施設は、2026年9月開館予定の地上3階建て、延べ床面積約3730平方メートルの複合施設。町は「今しかできない」施設完成前のプレ企画として、建設中の建物を中から見学し、施設にメッセージを書き残す特別な機会を設けた。当日は150人の応募から抽選で選ばれた28人が参加。子どもから大人まで幅広い世代が集まった。
イベント冒頭、設計を担当した岡田新一設計事務所社長の柳瀬寛夫さんが挨拶した。柳瀬さんは「町長の熱い思いや町の皆さんの声を何度も聞いて、皆さんが今以上に生きがいを感じ、集まれる場所になるようにまとめた」と話し、同事務所から施設の概要説明を行った。
同施設の大階段にメッセージを書き残す「言葉のタイムカプセル」ワークショップは俳優・演出家の有門正太郎さんが進行した。同施設が建つ場所には1975(昭和50)年に建設された中央公民館大ホールがあり、約50年間町民に親しまれてきた。有門さんは解体されるまでの写真や資料を見せながらこれまでの歴史を振り返り、書き残すメッセージをそれぞれ自由に考えるよう呼びかけた。
参加者は円形に座り「施設が完成したら何をしたいか」を話し合った。子どもたちからは「戦隊ショーを見たい」「おもちゃを持ってきて遊びたい」などの声が上がり、保護者からは「子どもたちが楽しめる場所になれば」「1日過ごせる場所に」といった期待が寄せられた。有門さんが「50年後にどうなっていてほしい?」と問いかけると、会場から「人であふれていてほしい」という声が聞かれた。
ワークショップ後、参加者はヘルメットと軍手を着けて建設現場へ移動し、同設計事務所の案内で施設内部を見学した。シンクやキッチンを備え料理教室などに対応できる「創作スタジオ」、楽器の練習が可能な「音楽スタジオ」、壁面に鏡を設置しダンスやバレエのリハーサル室としても使える「会議室」など、それぞれの居室の説明を聞いた。
天井高11メートルで壁を開放すると屋外と自由に行き来できる「多目的ホール」では、涸沼(ひぬま)の水面や夕焼けをイメージした色に、同町の国指定天然記念物「大戸のサクラ」をモチーフにしたデザインの椅子に一足早く座る場面もあった。
見学後、参加者は屋外デッキ階段となる場所に思い思いのメッセージを書いた。書いた言葉は残したまま加工を施し、施設の一部となる。
同町文化的施設整備室の久江さんは「新しい施設を知り、愛着を持ってもらい、長年共に過ごす自分たちの宝物として捉えてほしい。言葉のタイムカプセルを刻むことで特別な体験となり、施設に愛着を持ってもらえれば」と話す。
同町では、2022年度から施設建設に当たり町民の声を聞く「新たな文化的施設を考えるワークショップ」を、高校生向けを含め計11回行い、町民の声を施設づくりに生かしてきた。2023年には有門さんによる中央公民館大ホール周辺を巡る「まち歩きワークショップ」を開く。2024年には町公式ファンクラブ「いば3ふるさとサポーターズクラブ」が解体前の同ホールにメッセージを書き残すイベントを開催するなど、町民参加の取り組みで新施設開館への機運を高めている。