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水戸一中で画家の大山智子さん展覧会 生徒が本物に触れるきっかけの場に

大山さんと2023年に制作した「SETOUCHI 1」

大山さんと2023年に制作した「SETOUCHI 1」

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 水戸市出身・在住の油彩画家、大山智子さんによる展覧会「ココロノイロ」が現在、水戸市立第一中学校(水戸市東原)内にある「ギャラリーひのたて」で開催されている。

フィンランド語で「湖」を意味する表題の作品。大山さんは「表題はその土地の言葉でシンプルにするのがこだわり」と話す

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 大山さんは1985(昭和60)年生まれ。幼少期を水戸で過ごした後、日本大学芸術学部に進学。卒業後は、同大学で助手をしながら博士課程を取得。現在は画家として活動し、同大学で講師も務める。「子どものころから美術館で作品に触れてかっこいいと思い、画家になりたいと思い始めた。長い時間がたっても作品が残ることにも魅力を感じた」と大山さん。自身の作品については「自分が見た景色を半抽象的に描いている。見た通り忠実にというより、例えば太陽の強い光を黄色で表現したり、ステージの熱気を赤く描いたりというように、触覚や音、匂いなど五感を通して感じたものを、色や形に落とし込んで表現している」と話す。同展では、大山さんが2018年~2024年に制作した作品を展示する。

 同校が創立70周年を記念して校内に設立した同ギャラリーでは、2018年の立ち上げ以降、実行委員会と学校が共同で運営し、年1回のペースで個展や企画展を行っている。同校の大芝静香校長は「地域と学校、作家と学校をつなぐ新しい形のギャラリーを志している。名前の由来である『日の縦』は『日の出の方角』、そこから『物事の始まり』を意味する言葉。生徒が本物に触れることで自分の世界を広げ、何かを始めるきっかけになれば」と話す。

 同展の設営には同校美術部の生徒も参加し、大山さんは「生徒は作品をすごく丁寧に扱ってくれ、油絵について話もできた。作品を通して教育現場に貢献できていれば」と話す。来場した同市在住の齊藤綾子さんは「この個展でギャラリーの存在を知って、子どもと美術の距離が近くて良いと思った。大山さんの感性を通して切り取られた景色に、奥深さを感じる」と話す。

 大山さんは「普段はできないほど、大きな作品をたくさん並べることができて自分自身もうれしい。今回はガラスを入れない額縁で展示しているので、油彩画の特徴であるマチエール(絵肌)を直に感じられると思う。たくさんの生徒や地域の人に楽しんでもらえたら」と来場を呼びかける。

 開館時間は、平日=9時~16時30分、土曜日=9時~11時30分(1月18日・25日、2月8日のみ)。来館には電話(TEL 080-4782-4321)かウェブフォームで予約が必要。2月14日まで。

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