
「旅」をテーマにした企画展「旅にまつわる絵とせとら」が7月16日、茨城県近代美術館(水戸市千波町)で始まった。
名所や風景を描いた絵画など旅にまつわる作品約200点を展示する同展。風景画家の東山魁夷が描いた北欧連作の一つ「白夜光」や、横山操の「万里の長城」は茨城県内初展示となる。同館担当学芸員の高田紫帆(=高ははしごだか)さんは「世界各国の風景のほかにも、潮来や霞ケ浦、筑波山、袋田の滝といった茨城の名所を描いた作品を取り上げる。画家たちが旅先で見た風景を通し、その時代に生きた人の旅への憧れや喜びを感じてもらえたら」と話す。
会場にはこのほか、200年以上前に刊行されたガイドブック「旅行用心集」や、日本人初のグラフィックデザイナーといわれる杉浦非水が装丁を手がけた旅行雑誌「ツーリスト」、吉田初三郎による鳥瞰(ちょうかん)図の観光案内などを展示。時代ごとの旅の様子や文化を紹介する。
高田さんは「江戸時代から現代に至るまでの作品や資料をそろえ、旅と美術の関係を深掘りしている。自身の旅の記憶とも重ねながら、旅をしているような感覚で楽しんでもらいたい」と話す。
8月2日は関連イベントとして、落語家の立川志のぽんさんと柳亭市寿さんによる「美術館寄席 江戸の旅路を笑いにのせて」を開く。7月20日は学芸員によるギャラリートーク、8月11日は鑑賞講座、体験コーナーで「絶景!すごろく旅」、創作コーナーで「ハクタクさんのお守り作り」を行う。
施設内のレストラン「プティ・ポワル」では、展覧会に合わせ、南仏の風景画をイメージした限定メニュー「カジキマグロのポワレ、白インゲンと南仏野菜の煮込み添え ピストウ(バジル)風味」を用意。
開催時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館(7月21日、8月11日開館、翌日休館)。入館料は、一般=820円、高校生=550円、小・中学生=270円、満70歳以上=410円。8月31日まで。