ひたちなか海浜鉄道湊線の開業1周年記念イベントが4月29日、同鉄道沿線で繰り広げられた。イベントには全国の鉄道マニアらが訪れ、廃線の危機を乗り越えた湊線の運行1年を祝った。
ひたちなか海浜鉄道湊線は、前身の茨城交通の経営悪化により一時は廃線案も出されたが、地元住民の支援やひたちなか市の出資により第3セクターとして昨年4月から新会社として開業。全国でも現役で活躍する車両としてはここだけという「キハ20」「キハ22」などのレトロな車両が、首都圏の鉄道ファンの人気を集めている。
記念イベントでは一日乗り放題のフリー切符が売り出され、1、000人を超える乗客がのどかな車両の揺れを満喫。沿線各駅では特設会場が設けられ、スタンプラリーや抽選会、地元名産の試食コーナーなどさまざまな催しで乗客らをもてなした。大正年間の建築で、映画「フラガール」のロケ地となった那珂湊駅では、ホームで歓迎のフラダンスが披露された。
全国公募で富山県高岡市の万葉線から湊線に転職した吉田千秋社長は「地元の皆さんの協力で2年目を迎えることができた。沿線の観光施設とも協力しながら、今後もさまざまなイベントを展開したい」と、湊線の利用促進へ意欲をみせている。