スーパー銭湯「やまの湯」(水戸市笠原町)が12月9日、リニューアルオープンした。
同施設の山野社長(右から3人目)、吉岡さん(右から4人目)、設計を担当した建築士事務所「CHAr」代表の連(むらじ)さん(右から2人目)と同事務所メンバー
1999(平成11)年に茨城県初のスーパー銭湯として開業した同施設。老朽化に伴って大規模改装を行い、これまで時代のニーズに合わせて増やしてきた機能を生かしながら、空間を一新した。
リニューアルの目玉は、高い天井を生かした大階段。座って休憩できるスペースとして、滞留空間を拡充した。階段裏にはキッズスペースを設置する。子連れで利用した常連客の江黒舞さんは「開放感があり、ゆっくり休める大階段もいい。キッズスペースは秘密基地のようで子どもが喜んでいた」と話す。
女性脱衣所も改装し、建物の特徴でもある曲線をいかした鏡台を新たに設けた。コスメメディアで評価の高い「パナソニック」「Refa(リファ)」製のドライヤーを導入し、女性客にアピールする。近年同施設が力を入れるサウナ設備では、エストニア製の「HUUM(フーム)サウナストーブ」を導入し、セルフロウリュも行えるようにした。
社長の山野和哉さんは「地域の『銭湯』らしいスーパー銭湯として、地域のハブを目指したい。老朽化の解消だけでなく、女性や子連れ客など幅広い人が過ごしやすい空間にできればと考えた」と話す。
設計を担当した建築士事務所「CHAr(チャー)」代表の連(むらじ)勇太朗さんは、「山野社長の『新しいまちの価値をつくりたい』という思いに共感した。曲面壁や色を付けた個性的な空間と、素材感を生かしたシンプルな空間を組み合わせ、公民館のように多様な人が使える場所を目指した」と説明する。
改装資金の一部はクラウドファンディングで募り、目標200万円に対し567人から512万円超の資金を集めた。同施設支配人の吉岡哲(さとし)さんは「当初の予想を大きく超える反応で、改装期間中も『いつ完成するのか』という声が寄せられ期待を感じた。今回のリニューアルで、3世代が楽しめる施設に一歩近づけたのでは」と話す。
山野さんは「地域の日常を豊かにする場所にしていきたい。パジャマで来て帰るような気軽さで、日常的に利用してもらえれば」と呼びかける。
営業時間は10時~翌1時。第3月曜定休。