暮らす・働く 学ぶ・知る

水戸ホーリーホックが地域企業と人材育成研修 「多様性」と「交流」キーワードに

知識習得・人材育成研修プログラム「MVP(make value project) 」の様子

知識習得・人材育成研修プログラム「MVP(make value project) 」の様子

  • 11

  •  

 サッカーJ2の水戸ホーリーホックが12月10日、選手とフロントスタッフ、パートナー企業「ノーブルホーム」の社員らと「Make Value Project(メーク・バリュー・プロジェクト)」(以下、MVP)研修を行った。

知識習得・人材育成研修プログラム「MVP(make value project) 」の様子

[広告]

 同チームGMで強化部長、元 J リーグ選手の西村卓朗さんが2018(平成30)年から取り入れている同研修。「多様性」「交流」をキーワードに、選手のプロアスリートとしての人間的成長をサポートし、社会に貢献できる人材に育てることで、チームが育ち、地域活性化にもつながるとの思いから行っている。選手参加型、フロントスタッフ参加型、パートナー企業参加型の3タイプがあり、同チームでは年に25~30回ほど行っている。パートナー企業との合同研修は今回で4度目となる。

 西村さんは「サッカー界以外の人の日常を知り多様な価値観に触れることは、社会人としてのスキルと人間力を高め、選手の競技以外の人生や引退後のセカンドキャリアに応用できる」と話す。「『オフザピッチ(off the pitch)』での成長が『オンザピッチ(on the pitch)』の結果につながると信じている」とも。

 当日は、鵜川洋明さんを講師に招き、講義とワークショップを行った。鵜川さんは「チームでも会社でも、ビジョンを分かっているだけでは意味がない。大切なのは自分が何を実現したいのか。、ビジョンを描くために、描く力・語る力・問う力が重要」と話す。「内省と行動の習慣づけで自己理解が進み、結果としてビジョンが育つことにつながる。『自分ごと化』することで見えてくる会社やチーム、相手などと『わたし』の中に自分にとって『意味がある』と思える重なりを創ることができる」とも。

 ワークショップでは、選手、フロントスタッフ、ノーブルホーム社員が4人1グループを組み、ワークショップを行い、自分の価値観や日常、ありたい姿や実現したいことを発表し交流を深めた。

 西村さんは「MVPプログラム研修を始めてから、選手たちの中で言語化の機会が増え、インタビューなどのコメントも変わった。目の前のサッカーに対する意識だけでなく、外に目を向けることができる選手が増え、フロントと選手の距離が近くなった」と変化を話す。

 「サッカー選手は、それぞれが個人事業主。一人の経営者として、自分ならではのあり方にも言語化が重要。言語化することで、原体験に立ち返ることができる」と見解を示す。西村さんは「こうしてパートナー企業とプロジェクトに取り組むことができるのは、狭い世界になってしまいがちなサッカー選手やチームにとっても可能性。こうして生まれたつながりが責任や覚悟につながって、地域を一緒に考えていくことになれば」とも。

 プロジェクトに参加した平野佑一選手は「僕たちにとってもパートナー企業さんの話は新鮮で、聞くことができて良かった。目指すのは、日本に止まらずに海外でサッカーをすること。10年後くらいに海外で(プレーして)ホーリーホックにいて良かったといえたら」と意気込む。

 木村祐志選手は「地域で働く人たちの思いを知ることができた。これから自分も頑張ることができる」と笑顔を見せる。「パートナー企業として、支援してくれる方の日常に触れ、共通点も多いと知った。これから一緒に地域を盛り上げていけたら」とも。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース