外国語指導助手(ALT)対象の「酒蔵と日本のちょうちんツアー」が1月31日、明利酒類(水戸市元吉田町)と鈴木茂兵衛商店(水戸市袴塚)で行われた。主催は関東信越国税局。
2024年12月に「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを受け、酒類業の振興と日本酒文化の発信を目的に企画した。茨城県内での開催は今年で3回目。昨年は結城市の酒蔵「武勇」で結城紬の文化体験と合わせて行った。今回は水府ちょうちんの絵付け体験と組み合わせた。国税局主催のALTツアー受け入れは今回が初めて。
この日参加したALTは、アメリカ、ジャマイカ、南アフリカ、イギリス出身の計19人。参加募集は、茨城県の高校教育課やALT派遣元を通じて行われた。
ツアー参加者たちは、鈴木茂兵衛商店(水戸市袴塚)で水府ちょうちんの絵付けを体験した後、明利酒類で日本酒と料理のペアリングを楽しむランチ、酒蔵・蒸留所の見学、試飲を体験した。
1850年創業の明利酒類は、日本酒「副将軍」をはじめ、焼酎、ウイスキー、梅酒などを醸造・蒸留する総合酒類メーカー。全国の酒造会社約240社に酵母を販売しており、同社の酵母を使った酒が全国新酒鑑評会で金賞を受賞することが多いことから「金賞酵母」とも呼ばれることで知られる。
酒蔵見学では参加者たちが、酒米を蒸す工程や麹(こうじ)室、仕込み蔵などを巡り、酒米と食用米の違いや精米歩合による味の変化について説明を受けた。ウイスキーの蒸留所も見学し、60年ぶりに再開したウイスキー事業についての話を聞いた。
ランチでは、市川町の「うさぎ食堂」が日本酒に合わせた弁当を用意。乾杯酒では火入れをしていない日本酒「副将軍 吟醸生」を提供した。試飲では日本酒のほか、70年の歴史を持つ梅酒、ウイスキーを振る舞った。
目川小学校(常陸大宮市)でALTを務めるジャマイカ出身のアスヅェニールさんは「普段はあまり日本酒を飲まないが、製造工程を学びたくて参加した。酒米と食用米が違うということが印象に残った。フルーティーで甘い日本酒がおいしかった」と笑顔を見せる。
案内を担当した総務部長の加藤雅大さんは「明利酒類は現在25カ国以上に日本酒などを輸出しており、台湾や韓国を中心にインバウンド誘客にも力を入れている。これまでは輸出営業が中心だったが、最近は呼び込む営業も始めた。韓国ではゴルフツアーと連携するなど、酒蔵に来てもらう取り組みも進めている」と話す。