日本を代表するグラフィックデザイナーと稲田石(御影石)の石工がコラボレートし、アートな世界を創造する「いなだストーンエキシビション」が11月9日まで笠間市稲田の中野石材工業石切場と東京ミッドタウンで開かれた。
同エキシビションは、日本屈指の御影石産地である稲田の石職人の高い技術力を内外にPRするために企画されたもの。これまで建築石材というイメージを持たれていた稲田石をストーンアートとして身近に感じてもらおうと、日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)の会員が手掛けたデザインを稲田石で造形化した。
石切場を背景とした稲田の会場では、福田繁雄さん、青木克憲さん、佐藤可士和さんらのグラフィックデザイナーと稲田石材商業協同組合加盟の石材会社の手による作品が来場者の目を楽しませた。実行委員長の田守勝さんは「今回は石を身近に感じてもらえるように部屋の中や庭の片隅に置いても楽しめるオブジェがそろった。これを機会に新たな価値を見つけてほしい」と話す。
約110年の歴史を誇る稲田石は東京駅をはじめ日本銀行、三井本館、旧三菱銀行本店(三菱東京UFJ銀行)、第一生命ビル、最高裁判所など数々の歴史的な建造物で使われ、採掘量、業者数ともに国内最大の産地。しかし、外国産石材の輸入など、業界を取り巻く環境は厳しくなっており、このイベントをきっかけに稲田石の魅力を広めていく。