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茨大付属小で教育研究発表会 タブレット活用した情報モラル教育も

タブレット端末を使い話し合う児童

タブレット端末を使い話し合う児童

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 茨城大学教育学部付属小学校(水戸市三の丸2)の教育研究発表会が7月20日、同校で開かれた。

グループでそれぞれ意見を出し合う

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 研究テーマは「『学び』を楽しむ」。3年間の研究を通し、見いだした問題を身に付けた知識・技能を駆使し、主体的に思考したり、判断したり、表現したりしながら、自律的・協働的に解決していくことを目指す。

 当日は、研究の第1年次として、各教科の領域での「学び」を基本としながら、「学び」を楽しむ子どもの姿はどのような姿なのかを洗い出す。当日は、各教科・学年に分かれて研究授業を実施。そのほか、学習指導や道徳教育、情報教育の分野別講演や各教科の研究協議なども行われた。

 6年生のあるクラスでは、道徳でICTを活用。「炎上の心情 便乗・逆上・温情」をテーマに、情報モラル教育を行った。授業では、30人ほどの児童全員がタブレット端末を使い、SNSシミュレーターで炎上被害を疑似体験した。

 どのように対応するかを話し合い、モニターに全員の考えを一覧表示し、視覚化・共有化を図った。児童らは、タブレット上に自分の意見を書き込みながら、考えの整理や議論を展開。それぞれの解決策をノートにまとめた。

 児童からは、「炎上の元となった不適切な発言は軽い気持ちで書いたのではないか」という声をはじめ「炎上に巻き込まれると嫌な気持ちがする」という心情の想像から、「中立役として仲直りさせる」「問題の中心がグループから抜ければ、周りの気持ちが収まるのではないか」「自分だったら注意をして解決させたい」「注意が大炎上を呼ぶのではないか」など、解決法についてさまざまな意見が絶えず上がった。

 児童の1人は授業を終え「いろいろな人がSNSなどで投稿しているが、傷ついている人がいると気付いた」と話し、別の生徒は「今はSNSを使っていないが、大きくなって使うことになった時には、向こう側に相手がいると思って使いたい」と話した。

 授業を担当した清水匠教諭は「タブレット端末だと、主体性が高くなり、生徒も前向き。他の人の意見を画面で共有することや手元で見ることができることで、これまでより友達の考えを大切にするようになっているように感じる。自分よがりの意見だけではなくなった」と変化を話した。

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