笠間で活躍する女性陶芸家2人による「堤綾子 大野香織二人展」が現在、ノブズギャラリー(笠間市手越、TEL0296-71-1035)で開催されている。笠間焼を代表する最高齢女性作家の堤さんと今回初めて登り窯の一つであるあな窯(かま)に挑んだ大野さんの師弟コンビの作陶展で、炎の造形美の対照が話題を集めている。
香川県丸亀市出身の堤さんは1967(昭和42)年に笠間芸術村に築窯、あな窯による焼き締め技法で制作を続け、81歳になった今でも精力的に作品を発表している。大野さんは神戸市出身で県工業技術センター窯業指導所を経て、堤さんに師事。堤さんの指導を得て窯を作り、初めて焼き締めの作品を制作した。
あな窯は5昼夜にわたり薪をくべ温度管理するなど、仕上げには体力が必要で女性作家は少ない。しかも焼きあがりにばらつきがあるため、偶然性も出来栄えを左右する。
二人の年齢差は44歳という祖母と孫のような関係で、息の合った作品作りに励んでおり、堤さんは陶板や大型の花器、大野さんは茶わんや徳利などの食器類を展示した。堤さんの作品は屋外にも置かれ、立体的な鑑賞が楽しめる。
5日前に焼き上がったという大野さんは「どんな作品ができるか楽しみだった。先生はいろんな意味で理想の方」と話し、堤さんは「大野さんの作品は素直さが出ている」と弟子の作品を評価。来年3月には二人で渡米し、アトランタで茶会用の茶器を発表、陶芸の指導も行う予定だ。
営業時間は11時~18時。9月27日まで。