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ザ・ヒロサワ・シティ会館で「平和祈念展」 戦後75年の節目に

シベリアで飢えに耐えかね、現地の労働者が持っていたパンと外套の袖を交換したという「袖なしの防寒外套」

シベリアで飢えに耐えかね、現地の労働者が持っていたパンと外套の袖を交換したという「袖なしの防寒外套」

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 ザ・ヒロサワ・シティ会館(水戸市千波町東久保)で現在、「平和記念展in水戸」が開かれている。主催は平和祈念展示資料館(東京都新宿区)。

「堪へ忍べ」と彫られた手製の湯飲み

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 戦後75年の節目となる今年、第二次世界大戦の兵士、戦後強制抑留者、海外からの引き揚げ者の苦労を知ってもらおうと、全国各地で展示会開催活動を行っている平和祈念展示資料館が、水戸市、水戸市教育委員会と企画した同展。水戸市開催は今回が始めて。

 会場では、展示を兵士、戦後強制抑留者、海外からの引き揚げ者に分類。同資料館所蔵の衣類や食器、兵士の無事を願って作り送られた「千人針」などの資料のほか、水戸市の平和記念館、市立博物館、内原郷土史義勇軍資料館所蔵の戦災資料を集めた177点を展示する。旧ソ連で抑留され、レンガを焼く作業に従事していた時に焼き上げたという「堪へ(え)忍べ」と彫られた手製の湯飲みや、亡くなった乳児のおむつで作ったワンピースなど、展示一つ一つに戦争の時代を生きた人たちの苦労と日常、戦火に巻き込まれていく有り様が見て取れる。

 特別展示では、「水戸からみる戦時の世相と満蒙開拓青少年義勇軍」として、満蒙(まんもう)開拓青少年義勇軍として内原から中国大陸に送り出された、10代の若者の姿を紹介する。

 平和祈念展示資料館推進マネージャーの熊倉弘之さんは「戦争体験といってもさまざま。戦争が終わってからも大変な思いをした人たちがいたということを1人でも多くの人に知ってもらいたい」と話す。

 「戦争を体験した人たちが亡くなっていく中でも、戦争によって起きる悲しみや労苦を伝え続けることをやめてはいけない。なんとなく遠い世界のように感じるかもしれないが、今の私たちの生活があるのは、大変な思いをしながら生きた人たちが生活の礎を築いてくださったから。展示を通して、気づいたことを何か一つで良い。持ち帰ってくれたら」とも。

 期間中、平和祈念展示資料館が制作した元兵士、シベリア抑留者、満洲からの引き揚げ者6人の体験者証言映像の上映も行う。上映時間は、9時40分、11時30分、13時15分、15時10分。

 開催時間は9時30分~17時。入場無料。12月15日まで。

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