「ステノグループ」(水戸市千波町、TEL 029-291-6023)が現在、新型コロナの影響で在庫を抱える贈答品用の常陸牛詰め合わせ商品「極上常陸牛三昧セット」を販売している。
ステノグループは1918(大正7)年に洋食店として創業。現在、水戸市を中心にホテル業、「ビストロエンドウ」「薫風 梅み月」「和牛食堂」などの飲食業を手掛けるほか、水戸のラーメンまつり、世界チョコレートフェスティバル、みとちゃん朝市などのイベント立ち上げなども行っている。
同グループでは昨年から続く新型コロナウイルス感染拡大の影響で売り上げが激減。同社の飲食業全体では前年比5割減、中でもインバウンド客や宴会での需要の高かった和食店では前年比7割超減まで落ち込んだという。
コロナ禍の中、同グループでは初の試みとなるEC事業へシフト。昨年6月から大手通販会社と連携し、「常陸牛生産者応援」の一環としてギフト商品の販売を始めた。年末年始の需要に向け用意した、すき焼き、霜降りステーキ、ハンバーグの詰め合わせ「極上常陸牛三昧セット」(通常価格9,980円)5000セットが余剰在庫となった。
内容は「すき焼き用牛肉」約360グラム、「霜降り厚切りステーキ用牛肉」約150グラム×2枚、「常陸牛100%ハンバーグ」約170グラム×2枚。
2月3日、同社通販サイトで、2,000円引きの7,980円(送料込み)で販売を開始。同日、SNSを通じて遠藤泰生会長が動画メッセージ付きで購入を呼び掛けたところ、2月5日15時現在で約1000セットの注文が入ったという。
「ステノ」役員の本田真人さんは「コロナの影響で厳しい中にもかかわらず、SNSや電話などでたくさんの励ましの声をいただいている。コロナによって、これまでの当たり前が当たり前じゃないのだと痛感した。あらためて地域の方に支えられていると感じた」と話す。
遠藤会長は「自信を持ってお薦めできる商品だが、この在庫をなんとかしないと新たな仕入れもできない状況」と話す。
本田さんは「EC事業への転換による雇用も守りたいし、茨城のブランド牛である商品の廃棄処分は避けたい。この局面を乗り切り、地域の事業者と手を取り合って、今後も食を通じて恩返しをしていきたい。どうか力を貸していただけたら」と呼び掛ける。
商品注文はステノグループ通販サイトと電話で受け付ける。