東京2020オリンピック聖火リレーが7月4日、茨城県内各地で行われ、鹿嶋市を出発した聖火が「千波公園ふれあい広場」(水戸市千波町)に到着した。
3月25日に福島県から始まった聖火リレー。茨城県は45道府県目で、次の埼玉県へ179人が聖火をつなぐ。
聖火ランナーは1日目、県内第1区間の鹿嶋市を皮切りに、ひたちなか市・大洗町、大子町、日立市、常陸太田市、笠間市、水戸市の7区間・8つの市と町を走行。2日目は古河市から坂東市・常総市、牛久市、龍ケ崎市、行方市、土浦市、つくば市を走る。
1日目の終点「千波公園ふれあい広場」では、「Day1セレブレーション」を行った。聖火を待つ間、聖火皿を設けたステージでは、大成女子高等学校吹奏楽部と水戸第三高等学校ダンス部、水戸葵陵高等学校書道部OGが、パフォーマンスなどを披露した。
この日の最終ランナーは、1964(昭和39)年の東京オリンピックと1968(昭和43)年のメキシコオリンピックに陸上競技の日本代表選手として出場した水戸市出身の飯島秀雄さん。飯島さんの後方では、水戸市内の中学生20人がサポートランナーとして走った。トーチを手にした飯島さんがセレブレーション会場に現れると会場は拍手に包まれた。
飯島さんは「最後まで走ることができたので(57年前の応援の)恩返しが少しできたのかと思う」と話し、翌日のランナーに向け「頑張って走行してください」とエールを送った。
1964年生まれの大井川和彦県知事は「(飯島さんがオリンピック出場した)当時は、聖火を見ることができなかったが、世界最大のスポーツイベントであるオリンピックの聖火を見ることができて大変幸せ。コロナ禍で、多くの県で公道でのリレー中止せざるを得ない中で、茨城にゆかりのある方々で聖火をつないでもらえるということは本当に素晴らしいこと。みんなで平和の祭典、困難を乗り越えたその先の証としてのオリンピックに思いをはせながら、聖火リレーを見ることができる喜びをかみしめてもらいたい」とあいさつした。
最終ランナー・飯島さんのサポートランナーを務めた水戸市立第一中学校2年の江幡崇さんは「沿道の方々に応援や拍手をしてもらい自分が聖火ランナーの気分だった。一生の思い出になった」と話した。
つくば市でフィナーレを迎える聖火は6日、埼玉県へ移る。
聖火リレーの模様はNHKがインターネット中継する。県実行委員会では、沿道での観覧を控えインターネット中継での視聴を呼び掛けるとともに、沿道での観覧の際にはマスクの着用や拍手などよる応援も併せて呼び掛ける。