茨城町大戸の国指定天然記念物「大戸のサクラ」が現在、見頃を迎えている。
夷針(いはり)神社参道近くの民家敷地内にある同桜は、樹齢約500年以上といわれるシロヤマザクラで、水戸黄門で知られる徳川光圀公も鑑賞したと伝えられている。1932(昭和7)年7月23日に国の天然記念物に指定された。
現在、株の根元の周囲は約7メートル、高さは約15メートルだが、大正時代の初めごろには約300坪(1000平方メートル)の広さまで、枝が大きく張り出していたと伝えられている。当時の様子は現地案内板にある写真で見ることができる。
水戸市から訪れたという40代女性は「光圀公も同じ場所でこの桜を見上げたのかもしれないと思うと、不思議な気がする。歴史ある満開の桜を初めて見ることができ、とてもうれしい」と笑顔で話した。
茨城町教育委員会生涯学習課・海老沢義行さんによると、「大戸のサクラ」はソメイヨシノより1週間から2週間程度遅く開花するという。「先祖代々、この桜を守り続けている齋藤家の人が、毎年開花シーズンを迎えると、訪れる人々のために開花予想日を現地に貼り出してくれている」と説明する。
今年は4月8日の午前中に開花が始まり、11日には満開となり見頃を迎えた。開花情報は同町ホームページでも告知する。