学ぶ・知る

水戸でユーグレナ社長が講演 「居心地のよい場所から飛び出して」

ユーグレナの出雲充社長(中央)と参加者(撮影時のみマスクを外しています)

ユーグレナの出雲充社長(中央)と参加者(撮影時のみマスクを外しています)

  • 8

  •  

 水戸の「M-Work」(水戸市南町)で6月11日、講演会「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。~CFO(最高未来責任者)から教わったこと~」が開かれた。主催は常陸フロッグス。

[広告]

 常陸フロッグスは、茨城県発の次世代リーダーの輩出を目的とした民間主導型の人材育成プログラム。講演会は、常陸フロッグス実行委員会による2022年度プログラムのプレイベントとして開いた。小学生から大学生、会社員、地元経営者など30人が参加した。ゲストは、微細藻類のユーグレナ(和名=ミドリムシ)をはじめとするヘルスケア商品の販売、「バイオ燃料」の製造開発に取り組む「ユーグレナ」(東京都港区)社長の出雲充さん。

 当日は、出雲さんのルーツをはじめ、イノベーションを起こす企業組織の要素、成功率が1%でも行動し続ける力、2025年以降の日本社会などをテーマに講演。出雲さんは、創業当時、ミドリムシの販売で、500社営業しても1社も買ってもらえなかったが諦めなかったエピソードを紹介。支えとなるのは、指針を与えてくれる「メンター」と、メンターの思いや理念を思い出させてくれるアイテムなどの「アンカー」と話す。「ばかにされる時もあるが、自分にとってのアンカーを目にすることで『これで終わりにしていいのか』『明日もう一日だけやってみよう』という気持ちになる」という。

 同社では、18歳以下の応募者の中から選抜される「CFO(最高未来責任者)」を採用。業務内容は「会社と未来を変えるための全て」で、同社のサステナビリティーに関するアクションをはじめ、達成目標の策定に携わる会議「ユーグレナFutureサミット」の運営などに関わる。

 出雲さんは「人のできることは少なく、最初の一歩は小さい」と話し、「日本にはHERO(ヒーローが足りない。子どもたちのために、大人はもっと一番を取りにいくべき。大人が変わらないと」と呼びかけた。出雲さんの言う「HERO」には、H=HOPE(希望)、E=Efficacy(自分が直面している課題を克服できるだろうという期待や自信)、R=Resilient(粘り強さ、しつこさを持つこと)、O=Optimist(楽天的であること)の意味があるという。「居心地のよい場所から飛び出し、世の中をどうしていきたいのかを考え、挑戦してほしい」とエールを送った。

 同社のCFOに応募した経験があるという水戸在住の中学3年の男子生徒は「母に教えられて講演会を知った。上場企業を展開する出雲さんでも、こんな苦労や経験をしているのなら、誰にでもチャンスは転がっているのでは。居心地のよい所にいるだけでは成長しない。僕も小さなことからでも前に進んでいきたい」と意欲を見せていた。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース