茨城町立明光中学校(茨城町谷田部)の生徒が現在、地元の企業で働く人を紹介する冊子「職業人図鑑」を作成している。
同中学校では例年、職場体験を行っているが、コロナ禍で以前のように体験学習を行うことが難しくなっているため、職場体験に代わる新しい試みとして冊子「職業人図鑑」制作プロジェクトを始動した。
取材先は、茨城町商工観光課や農業政策課の協力のもと、茨城工業団地にある企業、農家、建設会社、看板製作会社、同町で開業したデザイナーや動画クリエーター、洋菓子店、彫刻家、歯科医など幅広い職業人や企業が協力した。
生徒は訪問企業をホームページなどで調べ、企業などに対する質問を考えるほか、水戸経済新聞による「インタビュー講座」、茨城大学の学生による「マナー講座」などを受け、緊張せず取り組めるよう「模擬インタビュー」を行うなど、取材当日に向け準備を整えた。
取材は7月下旬から8月上旬にかけ行われた。各訪問先へは6人ほどのグループで向かい、それぞれ写真係、質問係、録音係など役割を決めてインタビューを行った。持参したタブレットで人物写真や職業に関わる小道具などの写真を撮影し、会話録音をするなど、生徒たちのみで全てを対応した。企業側は取材日に合わせて、地元の生徒たちのためにと見学や収穫体験、ものづくり体験などを用意した。
今後は、大学生の協力のもと、9月に編集作業を行い、年内に冊子「職業人図鑑」を発行する予定。プロジェクトの活動報告会も検討している。
同プロジェクトは「アーストラベル水戸」の事業で、現在県内3カ所の中学校で官民学が連携し取り組んでいる。尾崎精彦社長は「地域の大人の熱、仕事へのこだわりなどに接して将来の仕事のイメージを持ってもらい、本事業を通じて地域を大切にし、誇りを持つ子どもたちが増えてくれたら」と話す。