茨城町中央公民館(茨城町小堤)大ホールのお別れイベント「グッバイ!!大ホール 建物へ自由にアートを描こう!」で来場者が描いたアートが9月3日、公開された。
40年間ホールに通ってテニスをした湯浅美恵さん(写真提供=茨城町)
同イベントは、成人式や町民の日、文化祭など町の活動を支えてきたホールに、メッセージや絵を自由に描くことで別れを告げるイベント。企画・運営を担う同町公式ファンクラブ「いば3ふるさとサポーターズクラブ」が、参加を呼びかけていた。
イベントに先駆け8月5日・6日の2日間、サポーター有志や学生・社会人ボランティアなどが力を合わせ、高さ約9メートル、幅約20メートルの巨大壁画を完成させた。
壁画完成後、ホール内には同町の天然記念物である「ヒヌマイトトンボ」をイメージしたオブジェや、ファンクラブの象徴である数字の「3」のオブジェを配置。来場者と共同でアートを完成させるためのフレームとして、白いペンキで大きな「3」を床に描くなど準備をしたという。
8月25日・26日のイベント開催日には、来場者がホール内で自由にメッセージや絵を描いた。町内在住の湯浅美恵(よしえ)さん(83)は「いつも座っていたところにメッセージを書きに来た」と話し、ホールの壁際に「40年間ありがとう!!81テニスクラブ」と書いた。1981(昭和56)年にテニスクラブができ、以降40年にわたり毎週ホールに通い、テニスをしていたという。
森江邦和さんは、妻の裕子(ひろこ)さん、娘の優果子さん・千和子(ちかこ)さんと訪れた。森江さんは「立志式や成人式はここでやった」とホールでの思い出を振り返る。裕子さんは「大きな壁に子どもたちと一緒に絵を描くことができてうれしい」と話し、4人は持ち寄った画材でヒマワリ畑の絵を描き上げた。
アートは約250人が参加して完成した。町内在住の鬼澤邦明さんは、2年前に横浜から同町に移住したという娘夫婦や孫と一緒にホールを訪れた。描かれたメッセージやアートを見学し、思い出を話しながら、広いホール内を元気に走り回る孫娘の姿に目を細めていた。
約半世紀にわたり町の活動を支えてきた同ホールは2026年、「新たな文化的施設」に生まれ変わる。ホールの外にある巨大壁画は、茨城町役場側から9月18日ごろまで見ることができる。