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茨城町おはなしの会「しらゆきひめ」、地域に根ざした活動で文科大臣表彰

左から初代代表の青木さん、現代表の渡辺さん、茨城町小林町長、藤枝安子さん、藤枝豊子さん、町教育委員会矢口教育長

左から初代代表の青木さん、現代表の渡辺さん、茨城町小林町長、藤枝安子さん、藤枝豊子さん、町教育委員会矢口教育長

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 令和6年度「子供の読書活動優秀実践団体・文部科学大臣表彰」を受賞した茨城町のおはなしの会「しらゆきひめ」のメンバーが5月29日、小林宣夫茨城町長を表敬訪問した。

町図書館で行っている「おはなし会」で記念撮影

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 会を立ち上げたのは1992(平成4)年。当時の町中央公民館で行われた短期連続講座「絵本とおはなし」を受講した有志7人が、「自分たちの町でも活動したい」と始めたのがきっかけ。同館の図書室で定例のおはなし会を開始。その後、月2回のペースでおはなし会を続けているほか、当番制で毎週、学校を回り活動しているという。町内の保育園、幼稚園、高齢者施設で人形劇の上演や「おとなのためのおはなし会」を開くなど、現在17人のメンバーで幅広い世代に対し、多岐にわたる活動を展開。会の活動は今年で32年目を迎えた。

 2022年の茨城大学地域研究・地域連携プロジェクト「むがーし むがし お国言葉で語っぺよ」にも参加。町内に伝わるカッパの話を聞き取って再話を手がけ、オリジナルの絵を描き、「カッパレもち」の紙芝居を制作。表敬訪問では小林町長らの前で同紙芝居を茨城弁で披露した。小林町長は「消えてしまうかもしれない地域の民話などを残しておきたい」と話し、同会の地域文化の伝承活動について関心を寄せた。

 同町教育委員会の矢口和美教育長は「会の活動では子どもが話に引きつけられている様子を何度も見ている。活動をきっかけに読書に興味を持つ子どもがいるのでは」と話し、同会代表の渡辺奈緒子さんは「本離れが進む中、『おはなし』の大切さを感じている」と話した。

 創設メンバーの藤枝安子さんは今までの活動を振り返り、「文部科学大臣表彰受賞というのは驚いたが、今までの活動が評価され、とてもうれしい」と喜ぶ。藤枝さんも創設メンバーの一人。自身の子どもが小さい時に読み聞かせをしていたが、「育児で独り悩んでいたとき、外に出て皆で『おはなし会』をすると、社会とつながったような気持ちになった」と当時を振り返り、「この活動で地域の母親同士もつながることができ、子どもの成長にとっても良かったのでは」と話す。藤枝さんらは「この賞はみんなで作り上げたもの。本当に一つ一つ、一人一人の頑張り。すごくうれしい」と笑顔を見せた。

 立ち上げから15年ほど代表を務めた青木いづみさんは「何よりもこの会を優先して活動してきた。ジャンルにとらわれず、読み聞かせ、紙芝居、人形劇、カーテンシアターのほか、『おはなし』と音楽を組み合わせるなど一人一人の個性を生かした活動で工夫してきた」と振り返る。現代表の渡辺さんは「32年の歴史をつなぎ、これからは若いメンバーを育て、次の世代に引き継いでいきたい」と意気込みを見せる。

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