茨城県出身・在住の漫画家・古山フウさんの作品「ひとひとがみ日々(にちにち)」の単行本が7月11日、出版される。
古山さんは筑波大学で芸術専門学群ビジュアルデザイン領域を専攻し、卒業後、イラストレーターとして活動。コロナ禍にイベント中止などが続き、自治体や企業からの依頼が減る中で「自分の作品があった方が良いという思いが強くなった」という。2020年にはリトルプレス「ランバーロール」に初めて漫画作品を掲載。2024年1月、小学館の電子コミックサイト「サンデーうぇぶり」で「ひとひとがみ日々」の連載を始めた。
同作は、人の姿をした神様ともののけの日常を描く物語。古山さんによると、架空の茨城県をモチーフにしているという。きっかけになったのは地元の過疎指定。古山さんは「人がいなくなって、そこにあった暮らしや土地の神様もなかったことになってしまうのだろうかと考えた」と振り返る。
幼少期から妖怪や伝説などに興味があり、大学時代からはさらに民俗学に関心を寄せたという古山さん。作品では「空き家にお化けじゃなくて、妖怪とか神様とかが住んでいたら面白いんじゃないか」というアイデアを生かした。古山さんは「この漫画をきっかけに、自分の土地に残っている物語や史跡、歴史に興味を持ってくれる人が増えたらうれしい」と作品への思いを語る。
単行本の発売に合わせ、茨城県内のTSUTAYAイオンタウン水戸南店、川又書店エクセル店などで特設コーナーやPOP展開を予定する。発売日の11日16時には「TSUTAYAデイズタウンつくば店」でプチサイン会を行う。
B6判、160ページ。価格は770円。