茨城工業高等専門学校(ひたちなか市中根)の有志学生が9月21日・22日、ひたちなか市と連携し、勝田駅東口でプロジェクションマッピングを行った。
同校創立60周年と同市誕生30周年を記念した連携事業「TECH-MECH(テクメク)ひたちなか」の第一弾で、中心市街地活性化に向けた取り組みの一環として同校1~5年生の有志9人が参加し、オリジナルCG・楽曲を制作。同日開催の野外音楽祭「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル(ロッキン)」の「ROCK」の文字をモチーフにしたオブジェに作品を投影し、帰り道の同イベント来場者や通行人が足を止めて楽しんだ。
同校と同市は2010(平成22)年から連携協定を結び、学生が地域の中で学ぶ機会を創出している。同市企画部の田辺稔さんによると「市街地の活性化をテーマに連携する上で、高専生の技術力を生かして形にできるものを依頼し、学生から発案を受けた」という。作品は3分のオリジナル楽曲3曲とそれに合わせたCGからなる約9分の映像で、楽曲の一部を担当した同校2年生の川崎蒼真さんは「『帰り道』をテーマに、ロッキンの思い出に浸れるよう作曲した」と話す。CG担当者で4年生の高橋啓祐さんは「プロジェクションマッピングの映像を作ったのは初めて。限られた投影スペースの活用を工夫した」と振り返る。企画担当者で1年生の深谷悠喜さんは「予想以上に完成度が高くなり、達成感がある」と笑顔を見せる。
学生を伴走支援した同市企画部の岡部康子さんは「初めは無口だったが、活動を重ねる中でチームのまとまりが出てきて成長を感じた」とほほ笑む。企画担当者で1年生の伊澤駿さんは「プロジェクト進行の裏側に触れ、準備の大切さを知った」と話す。3年生の米田莉菜さんは「市内のフィールドワークを行ったり、周囲の大人が親身に接したりしてくれたことでまちへの愛着が増した」と話し、同校副校長で地域連携担当者の岡本修さんは「産学連携の目的は学生の教育。学生の活動に地域から応援や称賛があることで、学生たちのモチベーションになっている」と目を細める。
作品は10月に開かれる同校の文化祭でも披露する予定。2月に予定される同市主催のシンポジウムでも一連の取り組みについて報告する。