
地域の中高生や社会人が自習や作業に利用できるスペース「自由室みちの」(水戸市末広町)が3月17日、プレオープンする。
施設代表の高塚美羽(たかつかみう)さんは潮来市出身で、茨城大学人文社会科学部の2年生。小学校のころから教員を目指していたが、高校3年生の時に、中高生に学校以外の居場所を提供したいと考えるようになった。大学に入り、友人とともにビジネスサークルを立ち上げた。サークル活動を通して出会った社会人から、末広町の空き家を紹介された。この空き家を改装し、地域の中高生や社会人が自習や作業に利用できる場所をつくろうと思い立った。
「みちの」には、「未知」と「道の駅」という2つの意味が込められている。高塚さんは「多くの若者が、明るい未来が見えないと感じている。学生同士の居場所ができることで、未知の可能性、楽しい未来が生まれるのではないか」と話す。「道の駅みたいに、気軽に立ち寄れる場所になってほしい」とも。
最も苦労したのが、事業計画を練る作業だ。地元企業の社長らに資金集めの相談をした際、事業についてさまざまな質問を受け、悪戦苦闘したという。
同じ時期に、コーヒーと家具の店「hajimari」(大子町)を営む建築家の中村聖さんに出会った。中村さんから大人の目線でアドバイスを受け、事業計画を改善することができた。
同施設には、大学生のチューターが駐在する。中高生は平日の放課後に勉強のサポートを受けられるほか、進路や日常生活の悩みについても相談することができる。高塚さんは「地域のお兄さん・お姉さんとして、中高生の不安な気持ちに寄り添えれば」と話す。
今後、昼間の時間帯は社会人向けのコワーキングスペースとして営業する。同施設を、中高生と社会人の交流の場にする狙いがある。高塚さんは「中高生に地元企業を知ってもらうきっかけになれば」と話す。
高塚さんは「中高生にこの場所を知ってもらいたい。『自由室』と名付けたので、お菓子を食べたり、友達としゃべったり、本を読んだりしに来てほしい。学生の居場所になれば」と呼びかける。
営業日時は一カ月ごとにインスタグラムで告知する。利用料は1日500円。