偕楽園(水戸市常磐町)で2月13日、夜間ライトアップイベント「偕楽園 UME The Lights 2026」が始まった。主催は水戸の梅まつり実行委員会。
「陰」の世界を象徴する「うたかげの竹林」では、霧が立ち込める中、「言葉の気配」が漂うような空間を作った
「水戸の梅まつり」期間中、2月13日~3月15日の金曜・土曜・日曜と祝日限定で夜間に有料開催する同イベント。昨年初開催し好評を得たことから、今年は開催日数を増やし内容も拡充した。
偕楽園創設者・水戸藩第9代藩主徳川斉昭が意図した「陰と陽」の世界観を、現代のライトアップ技術で再解釈する。総合演出は、同イベントのために結成した空間演出チーム「陰翳 IN-EI(いんえい)」が担当した。伝統的な配色や和歌などを使い、梅林や竹林を光と影で表現。同園の魅力を発信する。
「陽」の世界を象徴する梅林エリアの「かさねいろめの庭」では、梅の花本来の美しさを生かすライトアップ表現として、日本古来の伝統的な配色「重ね色目」を取り入れた。重ね色目は、十二単などの着物にも使われる季節の草花や風景を模した色の組み合わせ。斉昭の正室・吉子女王が宮家出身であることにちなみ、宮廷文化ゆかりの配色の中から梅に関連するものを採用した。配色監修を担当したのは、代々宮中の装束の調進・着装を伝承する衣紋道山科流若宗家の山科言親(ときちか)さん。
「陰」の世界を象徴する「うたかげの竹林」エリアでは、斉昭が倫理観を養うことを目的に編さんした「明倫歌集」の中から梅を詠んだ和歌を、人工の雲海とプロジェクションマッピング映像で演出する。昨年多くの反響があった雲海エリアを拡張し、好文亭内の茶室「何陋庵(かろうあん)」をイメージした「光の茶室」も新設した。
杉林にはアニメ「刀剣乱舞―花丸―」の特別演出として、「ひかりのつるぎ道」を設けた。オリジナルボイスの放送や「3振りの刀剣男士」をイメージした金・赤・青色の光の演出を施すほか、「13振りの刀剣男士」の紋をデザインしたちょうちんが道を照らす。
園内にはフードエリアを設け、温かいグルメや茨城の地酒・梅酒などを販売する。
総合演出チーム「陰翳 IN-EI」メンバーは「偕楽園の夜をきらびやかに照らすのではなく、光と影の余白で歴史と自然の気配を立ち上げることを意図した。梅林や竹林そのものを生かし、園内を歩くことで情景が重なる光の文化体験となるよう設計した」と話す。
水戸市産業経済部観光課の川崎(崎はたつさき)健生さんは「園の創設者、斉昭公は領民と『偕(とも)』に『楽しむ』場所として偕楽園と名付け、数千本の梅を植えた。私たちは水戸で暮らし園に携わるものとして、斉昭公の思いを受け継ぎ、園の魅力を広く多くの人に伝えたい」と意気込む。
開催時間は18時~20時30分(最終入園は20時)。当日チケット料金は、高校生以上=1,000円、小・中学生=500円。小学生未満無料。3月15日まで。