日本映画界で時代劇ブームが巻き起こった2010年、水戸経済新聞では水戸が江戸末期の新たな時代を切り開いた事件を扱った映画「桜田門外ノ変」のロケセットを背景にして行われた「「セットを背景に和装撮影」の記事が年間PV(ページビュー)の1位に輝いた。
水戸周辺で今年最大のイベントだった「コみケッとスペシャル5in水戸」の開催が大きな話題を呼び、開幕日の記事やコラボ商品などの発売が上位にランキング。ワールドカップ関連のスポーツバーの開店が2位に入った。ヤフートピックに取り上げられた「納豆早食い世界選手権」はランク外となった。
ランキングは、今年1月1日から12月27日までに配信したヘッドラインニュースのPVを集計したもの。
10位までのランキングは以下の通り。(カッコ内は掲載日)
1. 映画「桜田門外の変」セットを背景に和装撮影-ウエディング会社が企画(2/10)
2. 水戸にサッカー専門のスポーツバー「ピボーテ」-W杯PVも開催へ(5/28)
3. 「コみケッとスペシャル5in水戸」が開幕-会場周辺は長蛇の列(3/21)
4. 日立にコミュニティーFM開局-周波数は82.2メガヘル(1/27)
5. コみケッとスペシャルコラボ日本酒「水戸の美酒・萩野谷なか」販売(3/10)
6. 水戸で「日本一ナウい祭り」-妄想屋台・がらくた市で「ゆるい」ムード漂う(9/27)
7. 茨城空港開港記念で「コスプレ大会」-コみケッとスペシャルのコラボ開催(2/25)
8. 水戸に新キャラ「わら納豆男」登場-地元スーパーがキャンペーン用に制作(8/23)
9. イケメン水戸黄門の焼酎「若き日の黄門さま」発売-ヤマダサクラコさんのイラスト使用(3/18)
1.0. コミケ当日に「メイドトレイン」運行-鉄ちゃん萌える(3/22)
「コみケッと」関連の記事が上位に5本入るなど、アニメファンなどのアクセスがPVを押し上げた格好。「コみケッと」開催を契機に、水戸周辺では「萌え」「コスプレ」などの新たな文化現象が出現。飲食や鉄道会社までがブームに便乗した。新たなコミュニティー放送局「FMひたち」の開局も、県域レベルでのメディアの少ない茨城県内では話題となった。
ランキング上位は上半期の話題が独占したが、6位に「日本一ナウい祭り」、8位に「わら納豆男」がランクイン。小さなイベントでありながら、ランクインしたのは上半期の水戸経記事がサブカルチャー系を取り上げた媒体であるとの認識が定着したことが背景にあったようだ。さらに茨城大学農学部でも萌えキャラ「温苺あみ」を発表するなど、水戸周辺はアニメ関連が上位の話題となった。
2010年暮れの茨城県議選は、来春の藤一地方選の前哨戦として全国の注目を集め、民主党が惨敗。保守王国としての存在感を示したものの、PVを見る限り水戸経済新聞には新たな文化を求める読者層が集中しているのがうかがえる。2011年も水戸経済圏での文化動向を伝えていきたい。