
茨城県と水郡線利用促進会議が主催する「みんなで考える水郡線ツアーアイデア会議」の発表会が8月27日、那珂市中央公民館で開催された。
同会議は、観光客を中心とした新たな誘客による水郡線利用促進に向け、沿線の地域住民や高校生と連携し、地域一丸となった継続的な取り組みが行える体制構築を目的に7月15日に発足。水郡線沿線の大学生・高校生がメンバーとして参加。この日は、茨城大学サークル「Linking」、茨城高校、太田第一高校、太田西山高校、常陸大宮高校、水戸農業高校の6団体が発表した。
事前に提示されたテーマは「地元工場の人気スナック『うまい棒』と連携したツアー」「地元レストランと連携して水郡線沿線地域の食を楽しむツアー」「水郡線利用者向けの『常陸国ロングトレイル』を楽しむツアー」の3つ。各校はこれらのテーマを基に独自のアイデアを練り上げた。
茨城大学サークル「Linking」はデジタルスタンプラリー企画を提案。太田第一高校はフォトコンテストや地元グルメツアーなど複数の企画を発表した。参加した高校生は「地域の活性化や水郡線が地域の経済にどのようなつながりがあるのか知りたいと思ったのがきっかけ」と話す。
茨城高校JRC部は、ファミリー向けと大人向けの2つのプランを提案。部員の一人は「町おこしにつながればと思い参加した。ファミリー向けは値段設定を下げて街全体で楽しんでもらい、大人向けは経済的に余裕がある方向けに地産地消の豪華ディナーを提供する企画にした」と話す。
JR東日本水戸支社の菊池美絵さんは講評で「斬新なアイデアもあり、元気をもらえた。JR東日本のコンセプトワードでも『当たり前を超えていく』がある。今回の提案のような新しい発想に付き添っていくことも大切。水郡線は通勤通学の利用者だけでは守りきれない路線。観光誘客のアイデアを大きくして繰り返し発信することで、事業者や施設が発展し、雇用が生まれ、住む人が増える、そんな循環を目指していけたら」と水郡線活性化への道筋を示した。
常陸大宮高校の生徒は「地域の活性化と水郡線がどのようなつながりがあるのか知りたいと思って参加した。旅マエ・旅ナカ・旅アトというストーリーで観光を組み立てることの重要性を学んだ」と話す。
発表されたアイデアを生かし、県と受託旅行会社のアーストラベル水戸が10月から2月にかけて水郡線ツアーを行う予定。