すし店「おすしのかさ井」(水戸市南町)が7月、グランドオープンから半年余りを迎えた。
店主の笠井智和さんと女将の諒子さんが夫婦で営む同店。智和さんは水戸市内のすし割烹(かっぽう)で約25年修業した後、独立した。修業当初は下働きから始め、自らスーパーマーケットで魚を買ってさばく練習を重ねたという。「自分が思い描く店作りや料理、接客を行いたい」と意志を固め独立。空き店舗を全面改装して開業した。会社員だった諒子さんは夫婦での独立を見据え、同店をオープンする前に別のすし店で約2年間働き、接客やすし店特有の仕事を学んだという。
店舗のコンセプトは、肩肘張らずに来てもらえる「街のすし屋」。店内は、すしを握る智和さんの手元が見える設計にし、客とのコミュニケーションを楽しめるよう工夫する。カウンターの高さは、客が落ち着いて過ごせるようにと、座ったときに足が床につく高さの椅子に合わせたと智和さんは話す。諒子さんは「高級感を出しすぎず、温かい雰囲気を大切にしている。客同士で会話が始まることも多くてうれしい」と話す。
提供するすしについて、智和さんは「すしはシャリが命」と話す。シャリには智和さんの地元である大子町の、全国的な品評会で日本一になった実績を持つ米農家から仕入れた米を使う。酢飯を作る際は、米そのものが持つ甘みに合わせて酢の分量を調整し、ネタとの相性を高めているという。メニューは、価格変動の大きいウニなどを除き、価格を明記して明朗会計を心がける。すしのネタは智和さんが水戸市の公設市場で仕入れるほか、大洗町の魚屋に足を運んで購入するシラスやヒラメ、阿字ヶ浦産の岩カキといった地元の魚介類も取り入れる。ドリンクは諒子さんが担当し、茨城県内の地酒を常時5種類ほど用意する。
ランチメニューには「日替わりランチ丼」「ランチ握り」「ランチ海鮮丼」などを用意する。店舗近隣で働く人が、昼休みの時間内に食べられるよう素早く提供することを心がけているという。
半年余りを経て、智和さんは「このエリアにはすし店が少なく、すし店を待ちわびていた近所の人が多く来店している。『ここにすし屋を作ってくれてありがとう』と言われうれしかった」と振り返る。
今後について、智和さんは「若い世代にも足を運んでもらい、客層の幅が広がれば。気楽に来られる『街のすし屋』として長く続けていきたい」と話し、諒子さんは「地域の人はもちろん、出張や観光で県外から訪れる人たちにも、茨城の食や酒の魅力を味わってもらえる場所にしていけたら」と話す。
営業時間は、ランチ=11時30分~14時(火曜~金曜のみ)、ディナー=17時~22時30分。