小幡祇園祭礼が7月19日、茨城町の小幡区で開かれる。設立100周年を迎えた「小幡ひょっとこ囃子(ばやし)保存会」が、同区内の宿(しゅく)通りで20年ぶりに山車を引き回す。
手先や指先まで所作に意味を持たせて舞う「小幡ひょっとこ囃子保存会」会員
保存会によると、町指定無形民俗文化財の「小幡ひょっとこ囃子」は戦国時代、現在の小幡区内に築かれていた小幡城の城主がおはやしを好み、領民に演じさせたことが始まりと伝わる。長胴太鼓、小太鼓、笛、鉦(かね)によるおはやしに合わせ、キツネ、おかめ、ひょっとこなどの面や衣装を身に着けて舞う。演目は複数あり、中には他のおはやし会にない物語仕立てのものも伝わる。
保存会は1926(昭和元)年に設立し、現在は27人が所属する。かつては山車で同区内を回っていたが、交通事情や山車の老朽化などから、引き回しは20年間見合わせてきた。保存会は復活を目指し、従来の山車を改修する方法や、中古の山車を入手する可能性を探ってきた。
転機となったのは、昨年参加した「石岡のおまつり」。共演したかすみがうら市のおはやし会が山車を新調すると知り、譲り受ける話が持ち上がった。保存会設立100周年に向けて会員の機運が高まる中で話がまとまり、今年3月に山車を譲り受けた。会員は祭礼に向け、約4カ月にわたり山車を磨き上げてきた。
保存会会長の小林俊也さんは小学生の頃に山車の引き回しを経験した。「山車の上に乗ると景色が違う。昔と同じような祭りの姿に少しずつ近づけられているのがうれしい」と声を弾ませ、「20年ぶりの復活と同時に保存会設立100周年を迎えることができ、感慨深い」と話す。
「100周年は簡単に迎えられるものではなく、大きな節目。これからも歴史を重ねる上で、小幡ひょっとこ囃子独特の『物語仕立ての演目』をしっかり継承していかなければならない。身の引き締まる思い」と小林さん。「でもまずは100周年を思い切り楽しみたい」と笑う。
見どころは踊りのしぐさ。小林さんは「手先、指先まで全てに意味がある。めりはりのある踊りには自負があり、他団体からも褒められる。そこに注目してほしい」と呼びかける。
当日は16時~21時に宿通りで山車を引き回すほか、同通りを歩行者天国とし、キッチンカー5台が出店する。荒天中止。