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自転車で地域を巡る 茨城県が持つ可能性

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新型コロナ禍でも3密を避けながら楽しめると注目が高まっている自転車。茨城県は「つくば霞ヶ浦りんりんロード」をはじめ、「奥久慈里山ヒルクライムルート」「大洗・ひたち海浜シーサイドルート」「鬼怒・小貝リバーサイドルート」の4つのモデルルートを設定している。
2020年にナショナルサイクルルートに選定された「つくば霞ヶ浦りんりんロード」の利用者数は、2019年度の9万3000人から、2020年度の10万5000人(前年度比約1.13倍)と、コロナ禍でありながら数字を伸ばしている。新たな旅の一つとして、自転車の旅と茨城県の可能性は広がりそうだ。


海風を感じながら、海岸沿いを走る
10月には、「大洗・ひたち海浜シーサイドルート」でモニターツアーを開催。
eバイクのレンタサイクルを有する大洗町の観光案内施設「うみまちテラス」から、大洗磯前神社、大洗水族館、那珂湊おさかな市場、ほしいも店「大丸屋」、ほしいも神社(堀出神社)、宿泊地「ホテルニュー白亜紀」までを走行。


観光業が主な産業である大洗町では、車移動では味わうことのできない海風や潮の香り、今やまちの代名詞ともいえるアニメ「ガールズ&パンツァー」の限定マンホール(定期的に移動しているそう)の発見などもあった。


ひたちなか市では、那珂湊漁港で水揚げされた新鮮な海の幸はもちろん、日本の生産量の7割を占める「干し芋」を堪能。令和元年日本初の神社「ほしいも神社」や干し芋店を巡り、県が推進するサイクリストの受け入れ環境を整えた「サイクリストにやさしい宿」の認定を受けた「ホテルニュー白亜紀」に宿泊した。


地域の「人」に会いにいく
昨年4月末にリニューアルオープンした「いばらきフラワーパーク(旧いしおかフラワーパーク)」を基点としたルートでは、割烹旅館いづみ荘を出発し、木内酒造八郷蒸留所、蕎麦蔵めぐみ、神生(かのう)バラ園の見学、岡野ファームでのカフェタイム、いばらきフラワーパークでの宿泊。翌日には、筑波山ロープウェー体験、再びいばらきフラワーパークに戻り、ローズクリエーターによるバラツアー、つくば霞ヶ浦りんりんロード藤沢休憩所から土浦駅までのライドを楽しんだ。


木内酒造 八郷蒸留所では、ジャパニーズクラフトウイスキーの蒸留を行っている。施設2階にある蒸溜室ではポットスチル(単式蒸溜器)を使うことで、個性豊かな原料の風味を残す蒸溜を行っているという。茨城県は関東でも有数の酒蔵を有してる。八郷蒸留所のある石岡市では、筑波山水系の豊富で良質な水が湧き出ることから酒蔵も多く、関東の灘ともいわれている。蒸溜室前の大きなガラス窓からは筑波山が一望でき、「筑波山のこの景色も蒸留所をここに決めた理由の一つ」と担当者は話す。


「神生バラ園」は1974(昭和49)年に設立。現在1400坪の敷地で約20種類のバラを栽培。肥料を均一に届けるため、水耕栽培としている。フラワーショップ「青山フラワーマーケット」が契約するバラ農家としても知られており、県内外からの注文も多いという。
この日は、ITを駆使した花の管理について話を聞いたほか、同園のバラを使ったブーケ作りなどを体験した。


古民家をリノベーションした「岡野ファーム」では、栄養士として働いていたという知識を生かし、地域食材のうま味を最大限に引きしたメニューを提供。地元の小豆やブルーベリーを使い、一つ一つ丁寧に作り上げるジェラートにはファンも多く、サイクリストも多く足を運んでいるという。


自転車は、歩くよりも行動範囲が広がり、「地域の人に会いに行く」「話を聞く」をかなえることができる手段の一つにもなり得る。

eバイクという選択肢
11月には、「奥久慈里山ヒルクライムルート」のモニターツアーが開かれた。
この日は「道の駅奥久慈だいご」を出発し、竜神大吊橋まで走行。カヤック体験というアクティビティー後に、サイクリストにやさしい宿「横川温泉 中野屋旅館」に向かった。


2日目は、同旅館を出発し、「豊田りんご園」でのリンゴ狩り、月待の滝、こんにゃく関所への立ち寄り後に、袋田温泉 思い出浪漫館に宿泊した。
最終日は、永源寺もみじ寺で紅葉を楽しんだ後、茨城県最高峰の「八溝山」を走行。里山の風景や自然をめぐった。


「八溝山」は標高1022メートル。八溝山まで、常陸大子駅から約25キロという距離ながら、アップダウンも多い。初心者が数人いたものの、「奥久慈だいご」で貸し出されたレンタサイクルのeバイクが活躍し、難なく八溝山山頂まで到着。
天候によっては、筑波山はもちろん、富士山、東京スカイツリー、那須連山を見ることができるという。


「稼げる地域づくりへ」
山々や河川、海岸線などの自然環境や豊富な地域資源を最大限に生かした全県的なサイクルツーリズムの可能性を広げようと13施策52措置を実施すべき施策・措置として取り組んでいる。


2019(平成31)年度に始まった「いばらき自転車利活用推進計画」以降、インフルエンサーによる情報発信やサイクリングイベントゲストライダー派遣、サイクリストにやさしい宿の認定、休憩所でのウエルカムイベントなどを展開。情報発信や路面などの環境面での整備をはじめ、工具貸し出しや自転車持ち込みができるといった機能を備えた「サイクリストにやさしい宿」の認定など、サイクリスト受け入れ環境の充実も図る。
今年で事業の節目となる3年目を迎える同計画。「稼げる地域づくり」に向け、来年度以降も継続して取り組んでいくという。
 

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