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味も見た目も多彩に進化 茨城発「ほしいもシェイク」 県内外33店が競演

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■開催1カ月、33店舗がフェアに参加

 9月1日に始まった「ほしいもシェイクフェア2025」。開催から約1カ月が経過し、全ての参加店舗での販売が本格的に始まった。ひたちなか大洗リゾート構想推進協議会によると、SNS上では、「#ほしいもシェイク」を付けた投稿が増加。県内外から訪れた人たちが飲み比べを楽しむ動きも広がっているという。

茨城県内外33店で「ほしいもシェイクフェア」 新規店3店含む33店が参加

■ご当地スイーツとして定着

 「ほしいもシェイク」は、ひたちなか・大洗地域の特産品である干し芋を使った新・ご当地スイーツ。地域の魅力発信と観光振興を目的に、2021年に誕生した。販売実績は、2022年度は1007杯、2023年度は4538杯、昨年度は5807杯と年々増加している。

 今年は新たに、東京・銀座にある茨城県のアンテナショップ「IBARAKI sense」併設の「BARAcafe」、水戸市千波湖畔の「好文cafe」、ひたちなか市のサツマイモ生産者オオスガファーム直営の「BENNY’S original sweet potato store」の3店舗が加わり、秋の行楽シーズンに合わせての開催となった。

■首都圏のイベントでも話題に

写真提供=茨城県

10月4日・5日に東京・駒沢オリンピック公園で開かれた「茨城をたべよう収穫祭」に、同フェア参加店のキッチンカー「ジミーズコーヒースタンド」が出店するなど、県外への魅力発信も進めている。同収穫祭は「首都圏の台所・茨城」の食の魅力を伝える催しで、会場には多くの来場者が集まった。

写真提供=茨城県

オープニングセレモニーでは大洗を舞台にしたアニメ「ガールズ&パンツァー」の声優、西住みほ役の渕上舞さん、武部沙織役の茅野愛衣さん、角谷杏役の福圓美里さんが特別ゲストとして登壇。福圓さんがステージ上で「ほしいもシェイク」を紹介する場面もあった。会場ではその後キッチンカーに行列ができる盛況ぶりを見せたという。

■世界2位・国内王者のバリスタが監修したシェイク

写真提供=サザコーヒー
(左から)ジャパン ブリューワーズカップ 2025(JBrC 2025)」で優勝したサザコーヒーの飯高亘さん、 ジャパン バリスタチャンピオンシップ(JBC)で優勝した本間啓介さん

 フェア参加店の「サザコーヒー」では、同店のバリスタ・飯高(=高ははしごだか)亘さんが監修したホットとアイスの「ほしいもシェイク」を昨年から提供している。
 飯高さんは、コーヒー抽出の技術を競う世界大会「ワールド ブリューワーズ カップ(WBrC 2024)」で世界2位に輝き、今年9月には東京ビッグサイトで行われた日本スペシャルティコーヒー協会主催「ジャパン ブリューワーズ カップ 2025(JBrC 2025)」で優勝。世界と日本の両舞台で実績を持つトップバリスタが監修する特製シェイクとなっている。

■個性が光る全33店舗の「ほしいもシェイク」

各店舗が趣向を凝らし、地元食材やスイーツの技を生かした多彩なアレンジを展開している。以下に「ほしいもシェイク」提供店とシェイクの特徴を紹介する。

【ひたちなかエリア】

・POTATO LABO 「干し芋の黒糖シェイク」(680円)

柔らかな甘みのシェイクに黒糖ときなこがよく絡む「和のシェイク」。香ばしい「きな粉」にふんわり「ホイップ」、「黒糖ソースとほしいもシェイク」、「わらび餅」の4層構成。スイーツや焼き菓子などを製造・販売する、さつまいも専門店が作る豊かな味わい。

 

・ほしいも専門店 大丸屋 「おいものシェイク」(750円)

大きな干し芋、芋けんぴ、ホイップをトッピングしたパフェのようなシェイク。作りたての干し芋と自慢の芋蜜、香ばしい芋チップと3つの素材のマリアージュ。専門店ならではの素材の組み合わせで、干し芋本来の甘味を楽しめる。

 

・菓子工房SAKABA 「ほしいもシェイク」(680円)

創業113年の洋菓子店が手がけるサステナブルなスイーツ。サツマイモの皮をアップサイクルする「干し芋ピールプロジェクト」から生まれた「特製フレーク」を使用。ザクザク食感のフレークと優しい甘みが奏でる新しい味わい。                                                                                                                                                                   

 

・氷屋cafe旬果 ~syunka~ 「ほしいもシェイク」(680円)

?天然氷のかき氷で知られる人気店の冬季限定ドリンク。焼き芋シェイクをベースに黒蜜をかけ、ふんわりエスプーマクリームときな粉をまとった干し芋をトッピング。朝仕込みのフレッシュな素材と自家製シロップにこだわる一杯。

 

・リビスコひたちなか店 「ほしいもシェイク」(800円)

軽井沢の本店や銀座店が「食べログ百名店」に選ばれた人気ジェラート店。3号店としてオープンした「リビスコひたちなか店」が手がける初のシェイクは、砂糖を最小限に抑えた芋ジェラートに干し芋を溶け込ませた一杯。素材本来の味を生かし、優しい甘さが広がる。

 

・BENNY’S original sweet potato store(新規参加店)  「ほしいもシェイク」(580円)

サツマイモ農家オオスガファームの直営店。焼き芋をベースに、カラメルソースを絡めたブリュレのような風味が特徴のシェイク。トッピングの刻んだ干し芋と紫芋チップがアクセント。サツマイモ尽くしの味わいを楽しめる。

 

【大洗エリア】

・ガルパン喫茶 Panzer Vor「干し芋スムージーシェイク」(1,100円)

爽やかな甘さのシェイクにこだわりの?自家農園製の丸干し芋を添えたバランスの良い一杯。しっとりとした食感の丸干し芋とさっぱりしたシェイクの調和した味わいを楽しめる。

 

・ブロンズ 「ほしいもシェイク」(600円)

アニメ「ガールズ&パンツァー」に登場した実在の喫茶店。さらりとした口当たりのシェイクに上品な甘さの芋蜜をたっぷりかけ、刻み干し芋をトッピング。シェイクと蜜芋が溶け合い、芳醇(ほうじゅん)な甘みと深いコクが生まれる一杯。自家製の蜜芋と干し芋を使った特製シェイク。

 

・レストラン ウィスタリア 「ほしいもシェイク」(800円)

芋のアイスと干し芋をぜいたくにミキシング。ふんわりとしたクリームの上にハート型のほしいもがアクセント。トッピングの干し芋はシェイクやクリームにディップして好みの食べ方で。太平洋を一望できるホテルのカフェで楽しめる一杯。

 

・cafe style いづみ茶寮 「ほしいもシェイク」(650円)

大洗の海を眺めながらくつろげる町営カフェ。香り高いバニラアイスと干し芋パウダーを使った自家製クッキーを合わせた一杯。ザクザクした食感とまろやかな甘みが特徴。トッピングの自家製クッキーとサツマイモチップスもアクセントに。

 

・ume cafe WAON 「梅ほしいもシェイク」(600円)

天保元 (1830)年創業の老舗梅干し店「吉田屋」が運営する「梅専門カフェ」の冬季特製ドリンク。ミルキーなシェイクにプルプルの梅ゼリーをトッピング。爽やかな梅の香りと甘酸っぱさが干し芋の甘みと一緒に口の中に広がるシェイク。

 

・魚来庵カフェ「ほしいもシェイク」(800円)

バニラジェラートとミルクを合わせてミキシング。あえて干し芋の食感を残して仕上げている。トッピングのクッキーのサクサクした食感に黒蜜の風味を感じる優しい甘さのシェイク。オーシャンビューが望める開放的なホテルのカフェで楽しめる。

 

【水戸エリア】

ミルスタ 「ほしいもシェイク」(400円)

  

 新鮮な茨城県産牛乳の魅力を伝えるスペシャリティーショップ。生乳をたっぷり使った濃厚なミルクベースのシェイクに、干し芋の優しい甘みが溶け合う一杯。駅ナカで気軽に楽しめるスイーツドリンク。

 

・好文cafe(新規参加店) 「ほしいもバナナアイスティーシェイク」(850円)

 千波湖畔のカフェが作る、茨城の魅力をぎゅっと詰め込んだ特製シェイク。紅茶の香りに茨城県産干し芋の自然な甘みとバナナのまろやかさを合わせ、ホイップクリームに香ばしいサツマイモチップスと紫サツマイモパウダーをトッピング。

 

【東京エリア】

・BARAcafe(新規参加店) 「ほしいもシェイク」(900円)

 

 東京・銀座にある茨城県のアンテナショップ併設のカフェ。豆乳をベースに2種類の干し芋とパウダーを使った飲みやすいシェイク。シェイク部分には丸干し芋を、トップにはキャラメリゼした平干し芋を使用。トッピングのホイップに振りかけたブラックペッパーがアクセントに。

 

【キッチンカー】

・ジミーズコーヒースタンド 「ほしいもシェイク」(800円・イベントにより価格変動あり)

 

 県内外のイベントに出店するピンクのキッチンカー。干し芋パウダーをたっぷり使った本格的な味わいのシェイク。香ばしいきな粉とコクのある黒蜜が調和した和のテイストが楽しめる一杯。

 

【サザコーヒー】

「ほしいもシェイク」(アイス・ホット各1,000円) 

茨城、東京、埼玉の全17店舗共通。飯高亘バリスタ監修の特別なシェイク。

アイス:干し芋の製造・販売を手がける幸田商店の丸干し芋を丸ごと使い、サザコーヒー特製のミルクジェラートと合わせたドリンク。仕上げに使用する極微細コーヒーマイクロパウダーが香り立つ一杯。

ホット:幸田商店の丸干し芋とケニア産エスプレッソを合わせ、砂糖を使わずに仕上げた。干し芋本来の上品な甘みとコーヒーの香りの高さを見事に調和させた一杯。熱々に仕上げることで芳醇な香りと濃厚な味わいが引き立つ。

 

■写真投稿でプレゼントが当たるキャンペーンも

同フェアでは「大洗エリアの宿泊券」「干し芋」「干し芋スイーツ」が当たるキャンペーンも開催している。フェア期間中に購入した「ほしいもシェイク」の写真を撮影し、専用のウェブブラウザーアプリで投稿してアンケートに答えると、抽選で30人にプレゼントが当たる。購入した商品写真を3店舗分アップロードすると当選確率が2倍になる。

■ご当地スイーツから広がる地域の新しい魅力づくり

「ほしいもシェイク」は、地域の特産品を生かした新たなご当地スイーツとして定着しつつある。県内外で提供する店舗も増え、観光や交流のきっかけにもなっている。地域の食材を生かしたこうした取り組みが広がることで、茨城の食文化が新たな形で息づき、地元の魅力発信と地域活性化の相乗効果が期待される。茨城発の一杯が、地域と人をつなぐ新たな架け橋となっている。

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