茨城大学生をはじめとした学生が現在、水戸市泉町に多世代の集まる拠点を作る「マチノイズミプロジェクト」を進めている。
プロジェクトの発起人は、泉町二丁目商店街振興組合の秋山道(みち)さん。町の情報マガジン「IZM(イズム)」発行や、「水戸バーバルバール(街バル)」「まちカル(街ゼミ)」「310食堂(子ども食堂)」などのイベントを「泉町会館」で行っていたが、店舗入居などの事情から新たな拠点が必要になったという。
秋山さんは「『場所がないからもうやらない』なんてもったいない。場所がないなら作れば良い」と思い立ち「必要なのは、空洞化しつつある市街地に常時オープンし、大人から子どもまで集まる場所。学生が集まる場所を作るには学生が作るべきなのではないか」という結論にたどり着いた。美容室だった空き店舗を改装し、新たな拠点を作るため、茨城大学の教授やイベントを通じて呼び掛け、バトンを渡す形で学生主体のプロジェクトとして進めている。
現在、30人以上の学生が同プロジェクトに参画。3月28日予定のプレオープンに向け、「マチノイズミプチDIYイベント」として廃材処理、設備クリーニング、窓拭き、什器移動などを週に1回集まり行っている。子ども食堂、ファーマーズマーケット、コワーキングスペース、シェアキッチン、カフェなどとして利用できる空間を目指す。
プロジェクトのイベント企画や施設の支配人を務める茨城大学人文社会学部1年の藤川尚さんは「市街地に大学生を呼び込む環境を作りたい。大学生にとって市街地は自分たちの生活圏からの距離と交通費などの金銭的な課題がある。大学から駅までの間にある空白をイベント開催やシェアできる空間にすることで集まりやすくなるのでは」と話す。
同プロジェクトでは現在、クラウドファンディングで、解体・改修するための資金支援を呼び掛けている。目標金額は80万円で、返礼品には水戸市在住のアーティスト・岡部光代さんが手掛ける「缶バッジ」「手ぬぐい」のほか、「作戦会議参加券」「完成披露パーティー招待」などを500円から用意する。
秋山さんは「改修もあるので資金は必要だが、それ以上に大切なのはクラウドファンディングをきっかけに動きを知ってもらうことと仲間となって参加してもらうこと」と話す。藤川さんは「ステッカーとワンドリンクのついた学生でも応援しやすいコースも用意した。学生にもDIYなどを通してどんどん関わってほしい」と呼び掛ける。
クラウドファンディング支援募集は3月20日まで。