水戸市と茨城トヨペットが7月3日、観光活性化事業に関する協定締結を行い、「カーシェアリング実証実験」を開始した。
カーシェアリングによる観光活性化事業は、県内の自治体で初の試みとなる。観光客の利便性・回遊性向上による観光交流人口の増加や地域経済の活性化などを図る狙い。実証事業は2021年3月31日までを予定。
水戸市商業・駐車場公社が運営する「水戸駅南パーキング」(水戸市宮町1)で、車両の貸し出しや返却を行う。車両はアクアとシエンタの2台。車両には、水戸近辺の観光施設や飲食店などの情報がカーナビに登録されるほか、観光PR動画5本が配信されている。そのほか、「茨城トヨペット」の顧客向け情報誌や観光ガイドマップなども用意。今後は、市内にある植物公園や森林公園などを活用したイベントの企画、開催も予定する。
予約はスマホ専用アプリ「トヨタシェア」で受け付け、ドアの開閉もアプリで行う。免許証とクレジットカードの登録が必要で、7月3日現在、iPhoneのみの対応。料金は15分200円~。予約は14日前から1分前まで受け付け、24時間利用できる。
高橋靖市長は「移動手段は多様化している。これまでバスとタクシーが多かったが、新たな移動手段を確保することで、まちの観光や経済に有利に働くのではないか」と期待を寄せる。
「茨城トヨペット」の幡谷定俊社長は「カーシェアリングでも初めての試み。観光の限られた時間の中で良い所を知っていただくチャンス」と話し、「トヨタ自動車」国内営業部・地区担当員の川邊安生さんは「トヨタとしても、どれだけ地域で役に立てるか、地元とどうつながるかの実験でもある」と話す。今後、高齢者に向けての地域の足としてのサービスなども見据えているという。
「茨城トヨペット」の幡谷俊一郎副社長は「現在は駅南パーキングだけだが、一般の駐車場の利用も進めていきたい。観光によるカーシェアリングのほか、今後は洗濯代行・コインランドリー代行サービスも予定している。地域の法人としても連携していければ」と話す。