「Local Mobility Service JAPAN」が9月4日、「茨城国体」観戦ツアーでローカルモビリティサービスの実証実験を行うと発表した。
同団体は、ひたちなか市に本社を置く「小野瀬自動車」の小野瀬征也(ゆきや)さんが中心となり、利用者とドライバーのマッチングシステム開発を行う「マネジメントシステム」、集客とドライバー養成を行う「北養会」(以上、ひたちなか市)、移動支援サービス専用自動車保険を持つ「損保ジャパン日本興亜」(東京都新宿区)、地域交通や地域コミュニティーなどに関連したユーザー需要性調査で「博報堂」(東京都港区)が連携する。
同団体では、社会課題となっている「高齢者の交通事故」「移動困難者の移動支援」などの課題解決を目指し、地域でのドライバー育成や住民主体型の「ドアtoドア」のラストワンマイル送迎を行う地域支援システムの開発を目指し活動している。
開発を進めているのは、スマートフォンで配車を事前に申し込み、GPSで申込者の近隣の登録ドライバーと車を手配し送迎を行うデマンド型ライドシェア。ドライバーは、既に育成教育を行っている「北養会」のプログラムを活用する。
10月7日に同市で開催される茨城国体の観戦ツアーとして、利用希望者とボランティアのドライバーを募る。ドライバー向けの教育と観戦ツアーの送迎で、開発中のマッチングシステムの実証実験を行う。
小野瀬さんは「年配の利用客の『家族に免許返納を勧められるものの、車がないと病院にも買い物にも行けない』という悩みを知ったのがきっかけ。高齢者の交通事故などの報道を見聞きする中で、地域の中で生活支障のない移動手段と安全安心して利用できるサービスがあれば良いと考えた」と話す。
「全国の車の稼働率は4パーセントと言われている。『車を売る』のではなく『稼働率を上げる』ことで、結果として業界全体としても整備や点検などにもつながる」と話す。「車がないと生活できない地方だからこそ、この移動サービスを通して人と人とが関わっていく地域コミュニティーを復活させることができれば」と期待を寄せる。