企画展「いきもの狂騒曲 ―陶芸フィギュアの現在―」が現在、茨城県陶芸美術館(笠間市笠間、TEL 0296-70-0011)で行われている。
9月7日に開幕した同展には、動物や虫などのリアルさやかわいらしさを立体化したフィギュアが158点並ぶ。陶芸作家17人のほか、ガラス、革工芸、金工の作家4人の現代作家21人の作品は、それぞれが愛着を持つ生き物をこだわり抜いて制作されている。
同展の担当学芸員・安田和人さんは、企画の背景を「ここ数年でいろいろな展覧会に足を運ぶ中で、いきものフィギュアを制作する作家の増加や人気の高まりを感じた」と説明する。その人気は図録の販売部数にも表れ、開幕から1カ月の間に200部を上回ったという。
「作品を見ていると、どの作家も本当に好きなものを作っていることが伝わってくる」と安田さん。美術館の地元・笠間市で根強いファンを持つ田崎太郎さんの「大猫神」にはアニメのキャラクターのようなかわいらしさを、奥村巴菜さんの「ゾウムシ様」には陶ならではの質感を生かしたリアルさを見ることができる。
モチーフは実在のものから架空のもの、その中間のものもあり、遠足で来館する小学生も作品の前で立ち止まってじっくりと鑑賞しているという。来館者は普段よりも比較的若く親子連れも目立ち、「また開催してほしい」という声も挙がっている。
10月19日、11月16日には出品作家によるアーティストトークが行われるほか、10月26日には関連イベントとしてワークショップ「新聞紙で動物アート」が行われる。
開館時間は9時30分~17時(入場は16時30分まで)。月曜休館(10月14日、11月4日は開館)。観覧料は、一般=720円、満70歳以上=360円、高大生=510円、小中生=260円。11月13日は県民の日につき観覧無料。11月24日まで。