コワーキングスペース運営などを手掛ける「Hide&Rook(ハイドアンドルーク)」(大洗町港中央)が2月17日、ポータルサイト「ARISE GIFT」開設に向けた取り組みを始めた。
2019(平成31)年4月、大洗が舞台のアニメ「ガールズ&パンツァー」(以下、ガルパン)元宣伝プロデューサーの廣岡祐次さんが設立した同社。廣岡さんは2012(平成24)年から同アニメの関係で同町に足を運ぶようになったという。
大洗町は2012(平成24)年当時、東日本大震災被害と風評被害が重なり観光客数が激減。その後、アニメのヒットもあり、聖地巡礼として多くのファンが大洗を訪れるようになったという。廣岡さんは「『商店街で働く人たちの笑顔が戻った事が一番うれしい』という町の方の一言が印象的だった」と振り返る。
「町へ来るきっかけはアニメだったかもしれないが、その後に何度もファンの方が町を訪れているのは『町(人)のファンになった』から。それはひとえに、町の皆様が温かく迎え入れて下さったことにほかならない」とも。
「私がこの町で起業したのは、町の皆さんが町のために働く姿が、単純にとても楽しそうで、いきいきしていてかっこよかったから。私はそんな町の皆さんのために恩返しがしたい、何かこの町の未来のために貢献したい、今後の人生を大洗町の為に働きたいと思った」と廣岡さん。「起業して間もなく1年。町で事業を始めて見えてきた『できる事』『「やるべき事』を精査した。ポータルサイトを通じた現状の町の文化の継続、新たな産業を育む事を会社のビジョンに、町が『生き続ける』ための仕組みをつくりたい」と意気込む。
サイトでは、特産品や観光・体験を重視。「DO TRY!OARAI!=大洗に来て、何でもやってみよう!」との思いを込める。「大洗町をより楽しみ、より遊ぶ」「行った事が無い場所、やったことが無い体験、食べた事のない料理の情報」を、見やすく・分かりやすく届ける町の課題解決型ポータルサイトを目指す。同サイトは、大洗町商工会と観光協会と連携し、観光客 ・町それぞれの課題解消と町の産業活性に努める。既存のサービスの情報発信強化と新サービス開発にも力を注ぐという。
廣岡さんは2月19日、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」でのサイト制作費用支援呼び掛けに合わせ、ライブ配信を開始。配信内では、「大洗観光協会」会長で「割烹旅館 肴屋本店」代表の大里明さんが「神の降りた厳かな海の街。素晴らしい人生の初体験に誘われて、ハートフルリゾートタウン大洗」という大洗の新たな観光ビジョンを発表した。「Oaraiクリエイティブマネジメント」の常盤良彦さんは「大洗に来たらこれを買って帰る、という代表的な土産品がほしい」と期待を寄せる。
リターン品のテーマは、さまざまな「初体験」。里海邸の「宿泊券」、海のだいがくの「キャンプパーティー参加権」、大洗まいわい市場提供の「『ガールズ&パンツァー』×大洗 コラボ商品セット」のほか、協賛プラン含め全30種類を用意する。支援募集は4月28日まで。廣岡さんによると、募集開始後、地域住民からは「私にも何かできる事はないか」との問い合わせが寄せられているという。
廣岡さんは「大洗町の皆さんにはいきいきとした生活を、大洗に訪れる方にはすてきな『初体験』を提供し、この町のデジタルプラットフォームとして機能したい」と意気込む。
今後は、町の新たな産業活性をはじめ、コワーキングスペースを通じた移住・起業支援を展開。アクティビティの開発・情報発信の第1弾として、「キャンプ」に注目し、県内キャンプ需要創出に向け、新サービスを立ち上げる予定という。