笠間稲荷周辺の事業者らで構成される「かさまち考委員会」が4月19日、テークアウトやデリバリーに対応する笠間市内の飲食店をまとめたウェブアプリ「かさまちテイクアウトMAP」の配信を始めた。
笠間市内では、茨城県内の感染者増を受け、テークアウトを始める店が増加。同委員会メンバーで「庭カフェKULA」と「門前酒場マルトミ」を経営する富田将人さんは「始めてみると皆さん同じ悩みに突き当たるようで、テークアウトを利用するのは常連さんや知人がほとんど。それ以外の市民の方にどうやって発信していくかが課題となっていた」と話す。アプリは、笠間の事業者や同委員会にゆかりのあるメンバーが協力。やりとりは全てウェブ上で行い、1週間で完成させたという。
掲載店舗は、委員会メンバーが手分けして、メインの活動エリアの笠間稲荷門前通りの飲食店に声掛けしたほか、フェイスブックでも募集した。富田さんは「正直、飲食店は全国的にどこも大変で、発信までのスピードも大事だと考えていた。どうやってテークアウトを始めたらいいか分からない飲食店さんの参考になればという思いもあった。ひとまず今回の店舗数で第1弾をアップした」と話す。合わせて、テークアウト販売の飲食店や購入者がその料理を撮影し、「#かさまエール飯」のハッシュタグを付けSNSでの拡散も呼び掛ける。
青果店とカフェを経営する岡井商店では「ご飯は家で炊く」というニーズに合わせ「おかずセット」をベースに販売。「ポームドパン」のハヤシライスはすでにリピーターも多く、完売する日も多いという。「復刻ぼたん食堂」のチャーシューや木曜限定の「ともしび食堂」では、陶製人形の「ともしび人形」の顔をモチーフにした卵焼きを入れた弁当などを販売する。
富田さんは「テークアウトマップは、外出自粛宣言下では生活必需品になるといっても過言ではないと思っている。笠間の店は、昼だけ、夜だけ、曜日限定やジャンルもバラバラで、個性豊かな店ばかりだが、一つだけ共通しているのがどの店も店主の顔が見えるアットホームですてきな店。この機会にいろいろな店のメニューを食べ比べするなど、シチュエーションや気分によって気軽にご利用いただけたら」と呼び掛ける。「既にたくさんの店から問い合わせが来ているが、今後も旧笠間市内であればご希望の飲食店は分け隔てなく掲載させていただく」とも。