水戸芸術館が4月21日から、同ウェブサイト上で過去のコンサートや公演、展示などをまとめたウェブページ「おうちで楽しむ水戸芸術館」の公開を始めた。
同館は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を受け、「音楽や演劇、美術を通して少しでも皆さまの心に安らぎや喜びをお届けできれば」と過去のコンサート、演劇公演や展覧会を動画で無料配信。親子で楽しめる工作素材の掲載を行っている。
同館ウェブサイトでは、「水戸市芸術振興財団」理事長でファッションデザイナーの森英恵さん、「水戸芸術館」館長で音楽家の小澤征爾さんのメッセージも掲載。森さんは「この感染症によって、愛する人を失ったり、たくさんの人が病に苦しんでいることを想うと、胸が痛みます。皆さんのご無事を祈るとともに、早くこの状況が改善され、安心して過ごせる日々が戻ってくることを心から願っています」とコメントを寄せている。
小澤さんは「こういう状況だからこそ、人と人とのつながりを生む芸術をたくさんの人に楽しんでもらうことが大事だと考え、芸術館ではこれまで開催した音楽、演劇、美術の活動内容に触れたり、学芸員のメッセージを発信する『おうちで楽しむ水戸芸術館』を館のホームページに設けることにしました。この感染症が一刻も早く終息し、また皆様と芸術館でお会いできることを楽しみにしています」(以上、原文ママ)とコメントを寄せている。
現在、音楽カテゴリーの「水戸芸術館サウンド・ライブラリー」で、2017(平成29)年10月13日に開かれた「水戸室内管弦楽団 第100回定期演奏会」、今年2月2日に開かれた「水戸室内管弦楽団第105回定期演奏会(抜粋)」を公開。5月2日~16日には「新ダヴィッド同盟 第1回演奏会」の公開も予定する。
演劇カテゴリーでは、廃線の危機を乗り越え夢の延伸を目指す「ひたちなか海浜鉄道湊線」の約10年間を描いた演劇「海辺の鉄道の話」の公演動画、同館劇団員の「ゆうくんとマットさんチャンネル」を紹介している。
美術カテゴリーでは「森英恵 世界にはばたく蝶」展の紹介映像、「磯崎 新-水戸芸術館 縁起-」展の展示風景、「明後日朝顔プロジェクト」を公開。親子向けコンテンツ「おうち・こらぼ・らぼ」では「水戸芸術館のシンボルタワー」の工作・塗り絵台紙を掲載し、印刷して自宅で楽しむことができる。