水戸の酒造会社「明利酒類」(水戸市元吉田町)が5月8日、ウイルスや細菌除去を目的に自社開発したアルコール製剤「MEIRIの除菌 MM-65」を水戸市立千波中学校に寄付した。
江戸末期に水戸市で創業した同社。現在、清酒、焼酎、リキュール類、発酵調味料などの製造販売を行っている。同社では新型コロナウイルスの感染拡大で消毒液の品薄状態が続く中、3月13日に製造ラインを活用した高濃度アルコール商品「メイリの65%」の販売を開始。4月中旬、経済産業省から工業用アルコール取り扱い認可を得たことから、ウイルス・細菌除去を目的とした製品の開発を進めてきた。
「MM-65」は、主成分がエタノールで、副材として乳酸、醸造酢を使った食品添加物。開発を進める中で、教育機関での消毒液不足の声を聞き、同社前にある市立千波中学校に相談。15キロ容量2箱を寄付した。
同校の安島可子校長は「本校には400人ほどの生徒がいる。学校再開になった際、最低限の使用でも1日1リットルは必要。そんなに在庫があるわけではないので、このように提供いただくのはありがたい。活用させていただく」と話す。
同社食品販売部の山中隆央さんは「会社の目の前にある中学校なので、地域にある企業として、入学式も普段の登下校も見守っていることもあり寄付を決めた。学校では、ドアノブやテーブル、いすはもちろん、スイッチ類、パソコンのキーボード、マウスなど不特定多数が使う場所も多い。役に立てていただければ」と話す。
同社では5月中、「MM-65」を水戸市とひたちなか市内の教育機関中心に提供する予定。6月以降は地域のパートナー企業を通じ、定期配達などの方法で一般向け販売開始を目指すという。