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茨城トヨペット、県と水戸市に車両貸与 新型コロナ軽症者の移動支援に

茨城県庁の貸与式の様子

茨城県庁の貸与式の様子

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 茨城トヨペット(水戸市千波町)は5月15日、新型コロナウイルス軽症者を搬送するための車両を茨城県と水戸市に納車した。

水戸市の貸与式の様子

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 同社の感染防止に向けた支援活動の一環。同社営業企画部サービス課長の大友晶弘さんによると、4月中旬ころ、トヨタ本社の動きを受け、車両を調整。無償貸与の準備を進めてきたという。

 車両は、患者が乗り降りしやすさや広く空間を確保できる観点から「エスクァイア」を使う。主に、軽症者らの搬送に使う予定で、運転席と患者が乗る後部座席との間にビニールシートを使った仕切りを設置。エアコンのノウハウを活用し、運転席を外気導入に固定。後部座席、運転席、後部座席とドアの開閉順序を守ることで、前後に陰圧の空間を実現。運転席側への飛沫(ひまつ)感染を防ぐ特殊構造となっている。

 水戸市の貸与式で、高橋靖水戸市長は「水戸市内では10日以上、新規感染者が出ていない状況。緊急事態宣言の解除でどうしても緩みは出てきてしまう。啓発をしながら、生活者支援と経済支援の両輪で進めていきたい」と話し、「搬送車として使われないことが一番だが、日々の保健所業務でも多用途で大切に使わせていただく」と感謝を述べた。同社の幡谷定俊社長は「これからも皆さまの役に立てる企業でありたい」と意気込む。

 茨城県庁での貸与式で、大井川和彦知事は「第2波、第3波も予想されるので、無償貸与いただけるのはありがたい。軽症者輸送のニーズがあるので、活用させていただく」と感謝を述べ、幡谷社長は「今、油断するとこれまでの自粛の意味がなくなる。一助を担えたら」と話す。

 車両は、4月に中核市に移行した水戸市保健所に1台。県内で患者数が多い県南西の竜ケ崎保健所、つくば保健所、古河保健所と全県がカバーできる中央保健所にそれぞれ1台ずつ配備。患者の体調が悪化した際の医療機関への移動や、療養が終了した人の移送に活用する予定。

 貸与は水戸市が来年3月31日までで、県は調整中(状況に応じて延長の可能性有り)。

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