水戸のデザイン会社「K5 ART Design Office」(水戸市石川)が現在、新型コロナウイルスの影響を受けている地元飲食店向けの「サポートチケット」を販売している。
新型コロナウイルスの影響で、飲食店や小規模小売店の集客は全国的に減少。同社の甲高美徳さんは「この状況が長引いてしまうと、保有キャッシュが低減し店舗の存続が難しくなり、最悪の場合閉店の危機になると予想した。一度店舗をたたむことになると、出店時の初期投資が回収できないばかりか再投資が非常に難しく、今後のまちづくりへの影響は多大」と見解を示し、「収益の減少を一時的にでも止めるために、商品券・食事券を発行し、余裕のある消費者に先に購入してもらうことで保有キャッシュを維持し、その間にさまざまな対策を施していただければとデザインした」と話す。
チケットは、飲食店や小規模小売店事業者が購入し、店舗独自の商品券・食事券として発行できる。チケットを店から購入した一般利用客が利用できる。チケット部分をレインボーカラーで配色、「未来への虹の架け橋になれば」と思いを込める。
甲高さんによると、クラウドファンディングや電子決済なども検討したが、手数料の課題や店舗の利用客に展開する形を取ることで今後のコミュニケーションにも生かせると、紙のチケットとしての発行を決めたという。現在、水戸市内の「スナックちよ子」で導入が始まっており、複数店舗が検討している。
「店舗を応援したいというお客さまやファンはたくさんいる。水戸に限らずさまざまな地域の皆さまにご利用いただければ」と甲高さん。「適宜活用いただき、役に立てばうれしい。電子決済などの方がスマートかもしれないが、こういった機会に紙媒体の良さ、実際のものを媒介にしたコミュニケーションの良さも感じていただければ」とも。
チケットは500円×10枚つづり。一般客は、同チケットを導入した飲食店や小規模小売店事業者で購入できる。