茨城県農産物販売推進東京本部が6月7日、メロン農家と家庭をつなぐオンラインイベント「オンラインメロン狩り」を開催する。
茨城県は、全国シェア約27パーセントを誇るメロンの一大産地。2018(平成30)年の出荷統計は全国13万8700トンのうち、3万7600トンを占める。企画担当者の藤田愛さんは「今年は新型コロナウイルスの影響による外出自粛で家庭でのメロン需要が高まっているが、外食需要減でメロンの市場価格は低迷している。メロン狩りを受け入れている農家は例年、メロン狩りのお客さまで盛況にもかかわらず、今年は県外からのお客さまを積極的に誘致することができない状態」と苦しい現状を話す。
同イベントは、小学生以下の子どもと保護者20組を対象に、生産者と全国の家族をつなげようと立案。午前と午後の部の2部制。当日は、生産者から栽培のポイントやメロンの選び方のレクチャーを受けた後、オンライン会議システム「Zoom」を使い、ライブ配信で鉾田市のメロン畑をまわり、1組2玉のメロンを収穫。質疑応答などの時間を設け、交流を深める。収穫品種は、「イバラキング」と「タカミメロン」。食べ頃まで熟してから発送するという。
午前の部では、「JAほこた」メロン部会の市村知一さんのメロン畑を散策する。(市村さんの)祖父は園芸用の小さい区画から始めたというメロン農家の3代目。高校時代から農業を専攻し、メロンを中心にミニトマトなども栽培。メロンの栽培品種は、イバラキング、クインシー、キスミー。「JAほこたメロン部会」前メロン生産研究部部長として尽力し、現在も研究部員として品種改良に取り組んでいる。
午後の部では、「みなみ果樹園芸」社長の米川勝弥さんのメロン畑を散策する。米川さんは、農家だった父の背中を見て育ち、小学生のころからトラクターに乗り、開墾作業などを経験。農大卒業後、みなみ果樹園芸を開業した。1990(平成2)年ころ、全国初のメロン狩りの企画を手掛け、その後メロン食べ放題事業を始めた。オトメ、クインシー、タカミを栽培しているほか、約15品目の野菜生産も行っている。
藤田さんは「今年は、『茨城へメロンを買いに来てください』、『茨城へメロン狩りに来てください』と言いにくい状況。オンラインで購入していただくほか、この企画を通してご自宅で茨城のおいしいメロンを味わっていただきたい」と話す。
「今回は緊急企画のため、受け入れ人数も限られるが、生産者さんと全国の消費者の皆さんのつながりを作る新たな方法として、今後のチャレンジの足掛かりになれば。これを機に、いばらきのメロンを知っていただき、来年は実際にメロンを食べに茨城へ遊びに来ていただけたらうれしい」とも。
参加料金は1組3,000円(メロン収穫体験、メロン2玉、送料含む)。申し込みは「Peatix」で受け付ける。6月3日まで。