「しもはじ埴輪キャンプ場」(茨城町下土師、TEL 090-5758-8160)が6月13日、県外からの施設利用者の受け入れ予約を再開した。
新型コロナウイルスの感染拡大で3月下旬から臨時休業していた同施設。5月16日から茨城県内在住者限定で営業を再開していたが、首都圏を含む全国の緊急事態宣言解除に伴い6月13日から県外からの受け入れ予約を再開。
「しもはじ埴輪キャンプ場」は、「NPO環~WA」所有の土地をフィールドとした会員制のキャンプ場。同団体代表の大和文子さん夫妻、キャンプ場マネジャーで元茨城町地域おこし協力隊の川島裕樹さん、カフェマネジャーの平澤美佳さんが中心となり、自然と共にある「循環型社会」形成の一環である体験の場として、2019(平成31)年5月にオープンした。2017(平成29)年に荒廃した山林を大和さんが購入し、団体メンバーや川島さんらと共に雑木や草の伐採、間伐(かんばつ)、開墾(かいこん)などを行い整備を進めてきた。
キャンプエリアの広さは1ヘクタール。駐車場に隣接する「くるみサイト」、春に山桜が咲き誇る「山桜サイト」、秋には栗拾いが楽しめるキャンプ場のメインサイト「栗の丘サイト」、木の剪定や伐採など整備をしながら広げている「林間サイト」の4サイトを備えるる。施設には、川島さんと平澤さんが運営するカフェ「納屋Cafe ひらく&Luminous(ルミナス)」、ドッグラン、野菜や果物、麦の収穫体験ができる畑、ハーブ園などがあり、じか火でたき火ができるのも特長。利用者にはルールを記載したマニュアルを用意し、たき火の火起こしや後処理の方法、里山の循環についても紹介する。
大和さんは「このキャンプ場は、いろいろな人のつながりでできている。みんなで『これをやろう』『こうした方がいいのではないか』と日々話し合いをしながら整備と環境保全を進めている」と話す。
「マネージングは経験しながら積み上げていくもの」という大和さんの考えから、同施設ではスタッフらが自分の裁量で決めた設備が多いという。川島さんは「施設の炊事場を手掛けた。DIYで建物を建てたいという思いがあった。技術を付けながら経験することができている」とほほ笑む。
長期休暇にはファミリー層、短期休暇にはソロキャンパーが多いという。週末にはスタッフが子連れで出勤することもあり、子どもたちが「キッズスタッフ」として積極的に案内も行う。「この場所に価値を見つけて続けていく人たちが出てくれたら」と大和さん。「川島さん、平澤さんは心強いパートナー。キャンプ場からさまざまなことが生まれてきている。里山の土壌や水質などの環境を守りながら、茨城町に根を張る事業になっていければ」と話す。
「ステイホームとして自宅で過ごしていた皆さんにも開放的なこの場所でリラックスしてもらえたら。のびのびとゆっくり過ごしてもらいたい」と川島さん。
平澤さんは「キッズスタッフはもちろん、利用者の子どもたちが自然と仲良くなる姿もある。外遊びが難しい時代だが、まき割りや収穫体験などもできる。カフェも併設しているので、一食をカフェごはんに置き換えることもできる。カフェもキャンプも楽しんでもらえたらうれしい」と笑顔を見せる。
再開に当たり、感染防止策のため利用組数を通常の2分の1程度に制限する。共同箇所にはアルコール消毒液を設置するなど予防に努める。
茨城県では6月、補正予算案として「いばらきキャンプ魅力発信事業」に単独予算2,200万円を計上。茨城県の観光需要の回復に向け、観光誘客を図る。
チェックイン11時~、チェックアウト11時。予約と料金は、キャンプ場検索・予約サイト「なっぷ」と「しもはじ埴輪キャンプ場」ホームページに掲載する。