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茨城・城里町で徳川光圀愛飲の「初音茶」試飲会 

初音茶を味わう関係者ら

初音茶を味わう関係者ら

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 徳川光圀公が愛飲したという「初音茶(はつねちゃ)」の試飲会が6月24日、城里町の清音寺本堂(城里町下古内)で開かれた。

一杯ずつ振る舞われた初音茶

 同町の特産品「古内茶」は奥久慈茶・猿島茶と並ぶ茨城三大銘茶の一つ。古内茶の起源は室町時代初期。茨城県で最初に茶が栽培されたという。同町では、復庵禅師(ふくあんぜんじ)が中国から持ち帰ったお茶の実を境内でまいたのが始まりといわれている。江戸時代、「水戸黄門」で知られる徳川光圀が同所の境内にあった茶を気に入り、光圀の漢詩には、「七碗の竜茶を喫す」という一節もある。境内の母木を「初音」と命名し、茶を地域で栽培することを推奨したという。

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 同プロジェクトは、東日本大震災以降、原発事故の影響で古内茶の出荷制限となり、販売量が減少したことから風評被害を払拭(ふっしょく)するため「徳川光圀公が愛した古内茶『初音』を復活させよう」と進めてきたもの。2014(平成26)年7月、清音寺に1本だけ残る母木から挿し穂約1000本を切り出し、「復活プロジェクト」として育苗。JA水戸古内茶生産組合員と関係機関が連携し、2017(平成29)年4月、城里町登録有形文化財である古民家「島家住宅」に定植。収穫まで5年と見込まれていたが、今年5月25日に約5キロが初めて収穫された。

 当日は、組合員や関係機関の関係者ら35人が参加。製茶された「初音茶」が振る舞われた。スウェーデン人のお茶の伝道師、ブレケル・オスカルさんが、茶のいれ方をサポート。オスカルさんによると、通常、煎茶はうま味が出るよう70~80度でいれるが、今年収穫された初音茶はうま味が少ないことからお湯を85度に設定。個性を生かし、歯応えのあるお茶になるようにしたという。「今年が初の収穫で、来年、再来年とまた味が変わっていくはずので、これからが楽しみ。また参加できたら」とほほ笑む。

 町長は「初音茶は大切な宝。光圀の『おいしい』は決してまねをすることができない。地域の誇りを維持し、持続可能にしていくためにも初音を守り続けていきたい」とあいさつ。

 組合の加藤秀仁組合長代行は「事業を達成できてうれしい。ここまで大変だったが、皆さんの協力のおかげで達成できた。一層の発展を進めたい」と話し、同寺の桑原清柏住職は「初音は清音寺にとっても古内の人にとっても宝。先人たちが『これなら良かろう』となるものとして心して使ってください」と呼び掛けた。「古内には素晴らしいものが生きていて、この地から発信していくことが本当のプロデュースだと思う」とも。

 専門家らによる講評では、茨城キリスト教大学の川上美智子名誉教授が「三大銘茶の中でも古内茶が一番濃度が濃く、香りが宇治茶に近い。初音は、深いりになっていて、甘味も感じるが苦渋味がある特長あるお茶」とコメント。

 試飲した城里町農業政策課課長の山口成治さんは「渋みがあって味わい深いものがある。お茶は日本人の原点だと感じた」と感慨深く語る。古内地区地域協議会の加藤裕章さんは「歴史を感じながら飲めるお茶はそうそうない。一住民として、古内地区にまだまだ可能性があるんだと感じた」と笑顔を見せた。