笠間工芸の丘(笠間市笠間)で7月1日、茨城県ゆかりの若手陶芸作家の展示会「新進作家陶芸展」が始まった。
1999(平成11)年から始まり今年で22回目となる同展。毎年ゴールデンウイークごろに開催していたが、今年は新型コロナウイルスの影響で延期していた。
「笠間工芸の丘」営業部部長の竹内淳一さんは「新型コロナの影響で笠間の陶炎祭(ひまつり)が延期となり、若い作家さんたちの発表の場として何かできないかという思いがあった」と振り返る。茨城県ゆかりの若手作家に呼び掛け、9作家の作品約750点を展示販売する準備を進めた。
出展作家は、浜中明子さん、新島佐知子さん、東京ミサトオオハシ(大橋美里)さん、菊地元野さん、吉田知世さん、熊谷有唯さん、古谷翠生さん、弓野しおりさん、牧内香さん。
作家の1人、熊谷有唯さんは宮城県生まれ。デザイン系専門学校卒業後、茨城県窯業指導(現・県立笠間陶芸大学校)、市内の陶磁器製品製造会社で経験を積み、今年4月に独立。土の雰囲気を生かした作風で、同展には日常使いのカップ&ソーサーやオブジェなど約100点を出品する。「笠間はほかの産地にない自由さがあるように感じる。集まるとざっくばらんに意見を出し合い、学び合える雰囲気がある」と話す。「展示会は同世代がどのような作品を作っているのか、どんなことを考えているのかを感じ取れる貴重な機会。自分のポジショニングも見えるので勉強になる」とも。
竹内さんは「毎年、若い感性が形になるのを新鮮な気持ちで見ている。この先、この作家さんはどんな作品を作っていくんだろうとワクワクと期待感もある。大きな可能性を秘めた若い作り手たちの個性的な作品の数々を楽しんでいただければ」と来場を呼び掛ける。
開館時間は10時~17時。月曜休館。祝日・連休の場合は翌日休館。7月26日まで。