専修学校「日本農業実践学園(水戸市内原町)」が7月8日、農業実践力養成科に通年入学可能とするカリキュラムを新設した。
同校は、1925(大正14)年2月、デンマークのフォルケフォイスコーレ(生のための学校)をモデルに、寄付金で創設。雇い止めや失職者など労働環境の悪化を背景に7月、社会人対象の農業実践力養成科(1年コース)に、通年入学可能とするカリキュラムを新設した。
入学希望者は、選考の上、希望する時期に入学し、寮生活を送りながら農業技術を習得することができる。研修では、学園で所有する50ヘクタールの農場での実習を中心に、授業、生活を通じて農業生産・経営を学ぶ。選択コースは、稲作、野菜、有機野菜、サツマイモ、牛や豚を扱う畜産、農産加工など。1週間、3カ月などの短期間履修コースも随時入学を受け付ける。
農産物を育てる学生圃場(ほじょう)では、個人が畑を管理、生産活動を行う。野菜などの生産物は、作付け計画から管理状況、部門の販売実績などを検証し、学習につなげる。学習プログラムには、土づくりや栽培の基礎となる学科、先輩農家の啓発講座、農業機械などの免許資格取得などがある。
同校担当者は「社会状況の変化に迅速に対応し、将来に貢献する人材を育てたい」と話す。
学費は、1年間の食費・寮費込みで49万8,000円。卒業後に農業の自営・就職する場合は、年間150万円の支援が受けられる農業次世代人材投資資金や研修費免除となるシニア世代支援などの支援制度もある。申請者による一時学費納入猶予の相談にも応じる。