水戸市在住の根本博文さんが企画する「那珂川御前山ペダル&パドル体験」が10月25日、御前山周辺で開かれた。
同企画は、茨城県が推進する自転車活用によるアウトドアライフスタイルを自ら実証しようと、那珂川と那珂川大橋、県北地域の自然を満喫しながら、五感で感じる観光として根本さんが発案。那珂川でのサイクリングとカヌー体験を行った。
自転車活用のレジャーで、心のリフレッシュを伴う健康増進と県北地域の魅力を体感することで、その効果を広く一般にアピールすることが目的。「以前から五感で感じる観光は、茨城県の持ち味だと思っていた。自転車を移動手段とすることでそれを実現できると考えてきた」と根本さん。
当日は県内在住の20人が参加。城里町の「道の駅かつら」(城里町御前山)から出発し、標高156メートルの御前山周辺をロードバイクやeバイクで20キロ走行。那珂川沿いにある「ストームフィールドガイド」(常陸大宮市野口)でカヤック体験を行い、那珂川周辺の景観を楽しんだ。
根本さんは「自転車でダムの坂を登り切るときの息遣いや、鳥のさえずり、川音を聞きながら白鷺(しらさぎ)が飛び立つ瞬間や川面から月を眺めるなどは、まさに五感で感じることができるもの」と話す。
県では現在、2019年にナショナルサイクルルートに選定された「つくば霞ヶ浦りんりんロード」をはじめ、県内全域でのモデルルート設定、JR東日本の自転車&サイクリスト専用サイクルトレイン「B.B.BASE」の乗り入れやサイクルトレイン導入促進研修会の実施など「サイクリング王国いばらき」を目指し、県内全域でのサイクルツーリズム促進を進めている。
今年6月の補正予算では、新型コロナウイルスの影響によるアウトドアレジャーの注目を受け、県のキャンプ事業としては初となる単独予算2,200万円を計上。「いばらきキャンプ魅力発信事業」として各種展開を進めている。
根本さんは「茨城は、栃木や群馬に比べて大規模観光資源は少ないが、小ロットで動くには魅力満載の資源が豊富。 歴史や文化の深さに加え、方言も含めた風俗に独特のものを持っている。最近では、それらの価値を認める風潮も拡大してきていると感じている。日本一のサイクリング環境づくりとしても『いばらきの時代』が来るのでは」と期待を寄せる。