大洗町が12月3日、ふるさと納税事業の拡充を行うと発表した。
茨城県内トップの観光入込客数を誇る大洗町だが、新型コロナウイルスの影響で、観光・宿泊客数が減少。同町が行った地域事業者とのヒアリングの中で「売り上げ確保のためインターネット通販を行いたいが、人手が足りない」、「そもそも通販を行ったことがないのでサイト運用方法が分からず、どうしていいか分からない」といった相談を受け、行政でプラットホームを確立する「ふるさと納税制度」を活用することを決めた。
行政側がサイト登録や寄付受付、 返礼品の受発注対応から伝票発行までをカバーする。事業者負担を軽減しながら地場産品の流通促進を行う地域経済活性化と町の財源確保対策として、ふるさと納税事業の拡充を図る。
返礼品は、鮮魚やハマグリをはじめ、シラスや干物、カニといった水産加工品のほか、宿泊チケットやサメの飼育種類数日本一を誇る茨城県アクアワールド大洗水族館の年間パスポート、名門コースとして知られる大洗ゴルフ倶楽部のプレー券(会員限定)など。
観光施設めんたいパーク大洗を運営する「東京かねふく」では、贈答用明太子をはじめ、切れ子を集めた商品や定期便も用意するほか、「あんこう鍋」や鍋に使えるカニや海鮮など、地域特性を生かした商品を多数そろえる。
現在、ふるさと納税ポータルサイト各社(ふるさとチョイス、ふるぽ、さとふる、楽天ふるさと納税)には147品を掲載している。
新たに新規開設となる、「ANAのふるさと納税」「JRE MALLふるさと納税」「ふるなび」「ふるさとプレミアム」では158品を返礼品として掲載する。4サイトには、過去掲載商品以外に新しい品が107品、事業者は25社から33社(8社増)となり、年内にも39社に増える見込み。
寄付金は、海と緑の保全と活用に関する事業、伝統文化の継承や文化財の保護活動に関する事業、人材育成に関する事業、スポーツの振興や健康増進に関する事業、漁業や観光などの地場産業の振興に関する事業、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う支援に関する事業、町長が必要と認める事業に活用する。
大洗町役場まちづくり推進課課長の渡邉澄人さんは「大洗町では新型コロナウイルスの影響による観光客・宿泊客数の減少などにより、地域事業者に多大な影響が及んでいる。ふるさと納税の返礼品には、大洗町の魅力あふれる品を取りそろえた。ぜひこの機会にふるさと納税を活用し、ご自宅で海の幸をはじめとした大洗町自慢の逸品を楽しんでいただけたら」と呼び掛ける。