茨城大学演劇研究会が12月20日、オンラインで演劇イベントを行った。
茨城大学演劇研究会は、春・夏・冬の年3回、本公演と呼ばれる大きな公演を中心に、毎年水戸芸術館で開催される「演劇フェスティバル」に参加するなど校内外で精力的に活動している。今年は、新型コロナウイルスの影響で予定していた演劇フェスティバルや茨城大学茨苑祭が中止となった。例年通りの活動はできない中で「演劇をしたい」という思いは強く、オンライン演劇やオンライン新歓などを行ってきたという。
当日は「僕たちの好きだった文化祭」と題して、コメディー作品からシリアス作品までそれぞれ約40分4公演、短編中編合計8作品を上演し、ユーチューブで配信を行った。茨城大学演劇研究会メンバーは「やるせない思いもあった。だが、今できる演劇の形を模索し、どんな状況でも面白い演劇を作ろうという前向きな気持ちで今回の上演を決めた」と話す。
舞台監督を務めた山下真礼さんによると、オンラインでの開催にあたり、稽古から本番までの厳重な感染対策や配信用の機材準備など初めてのことばかりで苦労したという。山下さんは「いかに配信で演劇を感じてもらうか試行錯誤しながら稽古を重ねた」と振り返る。
公演を終え、山下さんは「サークル員と集まって演劇をできることを幸せに感じた。お客さまの反応を生で見ることができず少し寂しさもあった」と話す。一方で「家族や脚本の原作者の方など県外のお客さまにも応援していただき、いつでもどこでも見られる良さを実感できた」とも。
「今回の公演で学んだ反省点を修正し、どんな状況でもお客さまに楽しんでいただける演劇を作っていきたいと強く思う。コロナ禍での演劇は模索が続くが、それでも、演劇を続けたいという自分の気持ちにも気づくことができた」と笑顔を見せる。
上演した演劇は、茨城大学演劇研究会のユーチューブチャンネルでも配信する。