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水戸の農家が「やさいバス」活用し全国発送開始 「届け!水戸野菜」

(左から)ネギを持つ夫の智訓(とものり)さんと妻の西村美果絵さん

(左から)ネギを持つ夫の智訓(とものり)さんと妻の西村美果絵さん

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 水戸の「晴れ晴れファーム(水戸市柳河町)」が1月25日、農業ベンチャーが手掛けた「やさいバス」を活用し、同農園として初となるネギの全国発送を始めた。

「箱入り長太ネギ」

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 同農園は農園の代表を務める西村美果絵さんと農園長を務める夫の智訓(とものり)さんが運営する。「小さくて楽しい農園」をコンセプトに、野菜生産をはじめ、農園体験イベントなどを行っている。

 農園の広さは約1.8ヘクタール。夏に除草剤を使わず、何度も草を刈って土が乾燥しないよう工夫を凝らし、野菜のストレスを抑える育て方にこだわる。

 今年1月、静岡県内の農業ベンチャーが手掛けた「やさいバス」を活用し、同農園で初となる全国発送の取り組みを始めた。「やさいバス」は、卸売市場を介さず、ウェブサービスで受発注を行うことで、新鮮な野菜を効率的に流通させることができる地産地消システム。昨年6月、やさいバスのシステムとヤマト運輸の宅急便ネットワークを連携させ、新しい農産品流通サービスとして、地域産品の販路拡大支援を展開している。

 同サービスで新たに始まった、ヤマト運輸着店留で荷物を受け取りができる「物流プロセスのシェア」に共感したという。智訓さんは「物流業界の人不足を解消しつつ、運送費を抑えることができて全国に届けることができるみんなうれしいサービス」と話す。

 同農園で生産するネギは「森の奏で」。冬の寒さに強く、よく太ることが特長。販売するのは、ダンボール箱に約25本程度入った「箱入り長太ネギ」、リターナルの米袋に約40本程度入った「大袋入りの長太ネギ」の2種類。

 「大袋入りの長太ネギ」は日持ちするよう土や根がついた状態で発送する。智訓さんは「農園のある那珂川沿いでは、土が栄養分豊かで、柔らかくて甘みある野菜を育てるのに向いている。通常、ネギは親指よりも太く育てると硬くて筋張ることが多いが、ここでは美味しい長太ネギに育てることができる」と話す。

 「普段の生活の中でも『おいしい野菜を届けたい』」という思いがあったが、作業の合間に水戸近辺の人に届けるのが精一杯だった」と智訓さん。

 美果絵さんは「ほぼ収穫した状態のネギを送るので、親子でネギの皮をむいたり、根のつき方を知ったり、家の中でも畑や農業を体験できる。コロナでおうち時間が増えたが、食育という観点でも楽しんでいただけるはず」とほほ笑む。

 「水戸でも野菜が採れるのかと驚かれることも多い。水戸の中心市街地そばに畑があることを知ってもらって、各地のご当地野菜のように『水戸野菜』をもっと多くの人に届けたい」とも。

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