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常磐大学のTSSボランティアTRICOLORが「防災・減災百人一首」開発 体験を和歌に

(左から)「防災・減災百人一首」副リーダーの大内さんとプロジェクトリーダーの飯島さん(撮影時のみマスクを外しています)

(左から)「防災・減災百人一首」副リーダーの大内さんとプロジェクトリーダーの飯島さん(撮影時のみマスクを外しています)

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 常磐大学(水戸市見和)のボランティア団体「TSSボランティア 『TRICOLOR(トリコロール)』」が4月、「防災・減災百人一首」を開発した。

「防災・減災百人一首」

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 教職員と学生が協働する「TSS(Tokiwa Student Staff)」の活動団体として2014(平成26)年度に設立したトリコロール。

 同団体では現在、震災の風化防止や防災・減災意識の醸成を目的とした「震災復興支援活動」など、学内外を問わず幅広いボランティア活動を行っている。

 「防災・減災百人一首」は、東日本大震災発生から10年が過ぎ、被災地からの情報が減ったことや、社会的関心が薄れているとの懸念から「震災の風化防止」「防災・減災意識の醸成」を目的に企画。子どもから大人まで年齢に関係なく楽しみながら防災・減災について学べるものとして昨年5月から制作をはじめ、今年4月に完成した。

 カテゴリーは「地震がきたぞ!」「津波がきたぞ!」「災害前に備えよう!」「災害が起きたら?」の4つ。それぞれ25枚ずつ・合計100枚の札には、和歌の裏に詳しい説明も施し、子どもにも分かりやすいようルビを振るなど工夫した。プレー人数は3人からで、対象年齢は10歳から。減災レッド、ブルー、イエロー、グリーンのオリジナルキャラクターもデザインした。

 読み札の作成は約50人から意見を募集し、和歌に仕上げた。札には「断水時 お皿洗いは できないよ ラップをかければ 洗わずすむよ」「カップめん お湯がなくても 食べられる 水を注いで 十五分」などがある。東日本大震災発生当時、小学生だったという同プロジェクトリーダーの飯嶋彩さんは「自分たちの体験なども踏まえ、身近な状況での内容とした。正しく知識を伝えるために、リサーチしながら完成させた」と振り返る。

 プロジェクト副リーダーの大内瑛介さんは「防災を学ぶのに、硬いものだけではなく、楽しく遊んで覚えてもらえたら」と期待を寄せる。

 団体顧問で同大心理臨床センター統括兼事務職員の関敦央さんは「学生たちの思いがこもった百人一首。一人でも多くの人に思いが届いてくれたら」と話す。

 現在、「防災・減災百人一首」は販売は行わず、イベントなどに貸し出す予定。問い合わせは常磐大学心理臨床センター(TEL 029-232-2875)まで。

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